足音④
定まらない気分のまま
来た道を戻ると
また背後に足音
立ち止まると足音は止む
思い切って振り返ると誰もいない
歩き始めるとまた足音
人は理解不能に陥ると
足元を見つめるらしい
目を凝らすと左の靴から
黒く平たいゴムがはみ出ていた
確かめるとスニーカーのソールの
一部がめくれていて
歩く度にペタンペタンと
聞き慣れない音がする
足音の主は自分だった
見えない自分にペースを乱され
心を惑わされていたのだった
定まらない気分のまま
来た道を戻ると
また背後に足音
立ち止まると足音は止む
思い切って振り返ると誰もいない
歩き始めるとまた足音
人は理解不能に陥ると
足元を見つめるらしい
目を凝らすと左の靴から
黒く平たいゴムがはみ出ていた
確かめるとスニーカーのソールの
一部がめくれていて
歩く度にペタンペタンと
聞き慣れない音がする
足音の主は自分だった
見えない自分にペースを乱され
心を惑わされていたのだった