おかえり
毎晩のように彼女と会って
帰りが遅い君に
妻は「おかえり」とは言わず
「おそい」と言うようになった
僕は四分休符を二つ入れたあとで
「おかえり」と言う
しょうがないなと思ってしまうのは
遠い遠い記憶のせい
僕だって彼女と会って別れる間際の
時間の進み方は異常だと知っている
アナログ時計の長針は
見るたびにスキップして
もうあと五分がダ・カーポで
何度も最初に戻ってしまっていた
そして僕もいつも
「おそい」と言われてたから
毎晩のように彼女と会って
帰りが遅い君に
妻は「おかえり」とは言わず
「おそい」と言うようになった
僕は四分休符を二つ入れたあとで
「おかえり」と言う
しょうがないなと思ってしまうのは
遠い遠い記憶のせい
僕だって彼女と会って別れる間際の
時間の進み方は異常だと知っている
アナログ時計の長針は
見るたびにスキップして
もうあと五分がダ・カーポで
何度も最初に戻ってしまっていた
そして僕もいつも
「おそい」と言われてたから