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美味しい人②

プリンが美味しくなる間に
昼寝出来るなんて
なんて幸せなんだろう

僕が小学生の頃は貧しくて
プリンという存在は知らず
勿論エアコンもなく

夏休みには氷水に砂糖を溶かして
姉と二人で飲んでいた

ひと口飲んだ時の一瞬の笑顔は
今思えば幸せだったのだろう

自分たちでは
どうしようもない貧しさの中で
思いついた精いっぱいの甘さ

ひとつの丼鉢を分け合って飲んで
最後のひと口をいつも
僕に譲ってくれたのは
姉としての振る舞いだったか

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