見出し画像

うす紙の向こう

空っぽのコーヒーカップを
握りしめて

まだ残る温もりを
引き取る

飲み干したのは
誰だろう

あずかり知らない渦に
ゆっくりと引き寄せられて

考えることの
無意味さを知ると

見えてくるのは
淡い光だけ

いつもと変わらないことを
いつもと変わらないように

一番簡単なことが
一番難しいと感じて

ついさっき飲み干した
コーヒーの味が思い出せない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?