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大人の階段
僕の手が真っ黒になったのは
君の自転車のブレーキシューを交換して
あちこち調整やら油さしとかしたから
君は「コーヒー入れようか、
インスタントだけど」なんて言って
キッチンに立った
「粉はどのくらい入れたらいい?」
「適当が一番うまいんだ」
いい香りがやって来て
それに合わせたように
小鳥が話し出した
少し開けた窓から聞こえてくるけど
少し開けた窓から香りが届いたのだろう
そして君はカップを二つ
テーブルに置いた
「なんにも考えないで暮したいな」
僕がそんな風に見えていたら
いいのだけど