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悲しくも残酷で紛れもない現実

「どう?」

見覚えのある上着を着た君が
リビングのドアを開けて入って来た

えっ?それは僕がこの冬に
ヘビロテしまくっている
僕のダウンジャケットじゃないか

悲しいけれど
君の方がよく似合っているのは
誰が見ても間違いなく

貰ったら?なんて
妻は驚いたような顔で言う

決して口には出さないが
あげてもいいかなと
僕は思ってしまっている

それほどそのダウンジャケットは
君に馴染んでしまって
今日買われて来ました
なんて顔をしている

僕に着られているときは
くたびれた古着みたいな顔してるのに

なんて奴だ

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