つ・か・れ・た
「お父さん、手を貸して」
部屋を開ければ
風船がいっぱい
金や銀のリボンや
Happy Birthdayのオーナメントも
君は彼女の誕生日を
自分の部屋でお祝いしたくて
飾りつけをしていたが
風船を膨らませただけで頓挫していた
君は彼女とデートして
晩ごはんは外で食べて来る
その間に僕が
飾りつけをすることに
部屋のクロスは細かい凹凸があって
風船に付属していた接着シートでは
20分もすれば風船が落ちるし
空気が抜けたり破裂したり
スポットライトの先に
サンキャッチャーを配置して
壁に光の模様を作るのに
ミリ単位の調整
結局3時間もかかってしまった
「お父さん、ありがとう」
無事にすべてを終えた君は
安堵の顔で言った
親がやっちゃいけないよね