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フードロスとフードバンクのはなし①

前編 貧困問題に目を向けた時のこと

前々から思うことがあって、いつかはやってみたいと思うことの一つに、
フードバンクを立ち上げてみたいということがあります。

社会問題には、学生の頃から関心があったほうだと思います。
でも、なにか取り組んできたのか?と言われたら、実際にボランティアをしたとか、炊き出しをしたとか、学問として学んだわけでもありません。
高校生の頃、犯罪心理学に興味を持ち、犯罪と貧困が密接していることに気づいたことはありました。でも結局は心理学の道へは行かなかったと同時に、ドヤ街でのNPOのアルバイトの話も立ち切れになって、久しく経ちました。

きっかけは、もっと大人になってから一冊の本との出会いでした。
リーマンショックの影響により派遣切りなどが起き、生活困窮者のための
年越し派遣村が日比谷公園に開設したことを、ニュースで知りました。
その時に、社会活動家と政治学者である湯浅誠を知ることになります。
そこから、住宅の仕事もしている自分の目線から、湯浅さんと対談をしていた稲葉剛著の「ハウジングプア~「住まいの貧困」と向き合う」と出会います。

影響を受けた本


この本を読んだとき、ドキリとさせられたのが、それは派遣切りで住まいや食を失った人だけではなく、私のように事業をやっている者も背中合わせであるということに、気づいてしまったこと。だれでもタイミング次第で、可能性は秘めているのです。
たとえば、事業に失敗したとしたら、大きな借金を抱えたとしたら・・・
真っ先に持ち家を手放すでしょうし、仕事も失うでしょう。
私もいつもこの「ハウジングプア」と、背中合わせで生きているといってもいい。
特に2020年以降、世の中は激変しました。
時代が大きく変わり、この先の日本経済は不透明です。
物価も上昇するなかで、生活困窮者が急速に増えていっています。海外でも物価高騰で生活できない人々がそこら中に増えている現実。フードバンクの利用者は、1年で倍に膨れ上がっていると耳にします。

オーストラリア 「フードハブ」記事掲載号


それは日本でも例外ではないでしょう。
R6年の10/1以降時給は50円以上あがりますが、賃金が30年ほぼ横ばいでありながら、消費税等の増税、現在物価だけが上がっていく状況です。
小泉純一郎内閣時に、構造改革の一環として進められた規制緩和により、
派遣切りは大きな社会問題となりました。
それを今、総裁選で息子・小泉進次郎氏も「解雇規制の見直し」を掲げていて、妙にあのリーマンショック時の映像が頭を過っています。

2008年リーマンショック以降、
ホームレスの状況やネットカフェ難民、子ども食堂について調べたり、
動画をみたりと、関心が強くなっていき、ビックイシュージャパンの存在を知って販売者から買うことを心がけたり、湯浅誠著の「ヒーローは待っていても世界は変わらない」に出会ったりと、私の中でなにかがうごめく様になっていくのです。
明日の生活でいっぱいいっぱいになっている人々は、これからの社会がどうよくなってほしいかを、自分で行動する時間も余力もありません。
今、差し迫った自分の問題を解決してくれるヒーローが現れてほしいと願っています。すると、その問題は多岐にわたり、たくさんのことを解決するためのヒーローが必要になってしまう。
果たして、世の中にそんなに便利なヒーローはいるのでしょうか。
こたえは、「NO」です。
次へ続く・・・


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