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フードロスとフードバンクのはなし②

中編の1 フードロスから考える。別件でスーパーに直談判したときのこと

前編のお話しのつづき。
ヒーローはいないという、湯浅誠さんの本。
そうなんです。自分たちに都合のいいヒーローなんて、待っていても決して現れない。
だから、一人一人が変革の一部となってをやるしかないんだと。主体は他人ではなく、自分でしかないということ。小さな1歩が重要だと。
ならば、私に何ができるかを考えるしかない。
例えば、情報弱者になりがちな立場の女性にセミナーを開き、
サポートしてはどうだろうか?とか、
シングルマザーのサポート募金に協力してみるとか、
社会学をもっと深く知ろうとしてみたりと、いろいろ模索していきました。
今仕事をしながらできることは、何だろう。将来的にできることはなんだろう?そんなことをぐるぐる頭の中を回る日々。

ちょっと話が逸れますが、
最近よく見るユーチューバーがいます。
世界の真実を、自分の目で確かめながら旅をする。
その中で、フィリピンのマニラのスラム街ハッピーランドでは、
"パグパグ”と呼ばれるゴミを主食に生きる人々の実態がありました。
ファーストフードの残飯を集めてくる仕事があって、食べ残されたファーストフード店の残飯を、生きるために再調理してくれる仕事があって、そのパグパグで毎食賄っている人たちがいて、その実態にとても心を揺さぶられました。悪臭のする残飯を水で洗い、油で揚げて味付けしなおします。
フィリピン料理の3種類ほどに生まれ変わるのだそうです。
こうしてでなければ生きられない人々は、世界にはまだまだいるという現実に衝撃を受けたのです。
今の日本で、パグパグのような話を耳にしませんが、総体的貧困率は増えていき、一日1食しか食べられない子どもがいるのは事実です。
私も、そうした家庭に食べ物を届ける活動をされている団体への寄付を長年していますが、実は以前知人の中でもフードバンクを利用しているという話を聞いたことがあったので、もっと身近でできる事があるのかもしれません。

そんな目で世の中を見ていると、気になるのが
デパ地下やスーパーで、夕飯過ぎに残っているお惣菜たち。
または賞味期限間近の商品たち。
これはいったい、このあとどうなるのだろう。そんな風に思うことはよくあります。聞いた話ですが、とあるデパートでは、品切れをよしとしない方針があるところも。お客様が来た時に品薄にならないよう、各店舗に通達があるのだそうです。デパートも生き残りをかけて必死です。
日本は、現在はフードロスにおいて世界ランキングで10位以下だそうですが、コンビニのお弁当やスーパーなどのお惣菜、賞味期限間近の商品たちは、どのようなところに向かうのかとを考えることは、この数年私の脳の中を大きく締めています。お弁当が、家畜の飼料になったり、それがまた問題を引き起こしたり、さまざまなニュースは気にかけています。
そんな中、知り合いがもったいない食堂をやっていたり、未利用魚を活用した通販を試してみたり、最近いろいろな良いことも身近で増えてきていることは確かです。自分も、実際に普段はあまり食さない安い雑魚を上手に食べることもあります。

また少し話題がそれてしまうのですが、
以前、自家製無添加せっけんで、洗濯用などの石けん販売を考えようと思った時期がありました。
そこでスーパーを何件か回って、賞味期限の切れたオリーブ油を無料か安価で買わせてもらえないか直談判したことがありました。
しかし、どこの店長さんからも断られてしまった経験があります。
企業ではなく、個人であったことは大きいと思いますが、商品管理の観点から譲渡はできず、必ず規定の産廃業者に引き取ってもらい処分する決まりがあると言われてしまったのです。「お金をかけて処分するということですか?」と質問すると、「きちんと廃棄します」とのこと。
なんと、もったいない!いろいろな工程で作られたオリーブ油を確実に廃棄しますと、きっぱり言われたのは衝撃でした。自分が、世の中をいかに知らないかと感じた瞬間です。
食べるわけでも、肌に使うわけでもないことを説明しても、答えは同じでした。安全管理としては正しいことはよくわかります。
でも、本当にそれが正しいことなのかと、その時にとても落胆したことを今でも鮮明に覚えています。
その時から、日本のフードロスの実態に興味を持ったのは確かでした。

次につづく・・・


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