マガジンのカバー画像

Inside of BIJapan

145
Webメディア「Business Insider Japan」の記者や編集者のコラム集です。取材裏話から日常の体験などを綴っていきます。
運営しているクリエイター

#AI

なぜ人類学者は引っ張りだこなのか?

「不思議なことに、企業の人からの問い合わせが増えてきたんです」 人類学者で、メッシュワークの代表を務める比嘉夏子さんからそう聞いたのはもう3年前のこと。トンガ王国の村に住んでフィールドリサーチをしていた比嘉さんが会社設立に至ったのは、人類学を経営に活かしたいという声が多かったからだそうです。 哲学、人類学をはじめとした人文系の学問は、経営とは遠いところにある——。一般的にはそう思われています。客観性に基づいた分析や再現性を求める経営を科学的アプローチとするなら、人類学は主

AIに月額3万円払う人はどんなプロ? o1が無制限に使える「ChatGPT Pro」登場

日本時間12月6日(現地時間5日)、OpenAIはチャット型生成AI「ChatGPT」の新プラン「ChatGPT Pro」を発表しました。月額200ドル(日本円で約3万円)という価格設定です。 ChatGPTには既存の有料プランとして、個人向けの「Plus」(月額20ドル)と中小企業向けの「Team」(月額25ドル)があり、Pro登場後もこれらは継続して提供されます。 Proの最大の特徴は、「GPT-4o」や「o1」といった強力なAIモデルへの無制限アクセスです。なお、o

新しいNotion AIを試して便利だった機能

9月25日、スタートアップなどでも人気のドキュメンテーションツール「Notion」のAI機能がアップデートされました。 筆者も取材ノートや家の家電、ネットワーク情報をNotionで管理しており、今回アップデートされた「Notion AI」も課金して使用しています。 今回の目玉は、以前から予告されていたAIコネクターの「Googleドライブ」対応です。Notion AIに質問すると、Notion内だけでなく、連携したGoogle Workspaceのドキュメント、スプレッド

iPhone買い替え検討中なら気になる24年9月Apple Eventのポイント

今年も通信業界が特に忙しくなる季節、アップルによる新型iPhone発表(と思われる)の時期がやってきました。 現地時間9月9日、日本時間では9月10日午前2時から発表会が開催され、オンラインでの視聴も可能です。 期待されているのは、やはり「iPhone 16」シリーズと、そしてアップル独自のAI機能でしょう。 すでにアップルは6月のWWDCで独自のAI機能「Apple Intelligence」を発表し、先行公開されているベータ版ではその実力の一部を試すことができます(

「AIが電話対応」新しい通話の当たり前に

Tech Insiderではニュースのほか、iPhoneやGmail、LINEなどの「仕事やプライベートで役立つ使い方」を紹介する「ハウツー」カテゴリーがあります。 今週はそのハウツーの中で「iPhoneが会議中に着信したらどうする?」という記事を公開しました。「拒否」せずに一発で消音にする方法など、便利な技が4つまとめられています。 私の場合、プライベートの端末はPixelですが、電話対応時によく使う機能はGoogle アシスタントに電話対応を任せる「通話スクリーニング

運用してわかる生成AIの意外な弱点

6月25日、パナソニックのB2Bソリューション子会社・パナソニックコネクトは、国内グループ会社の全社員に展開したチャット型生成AI「ConnectGPT」の運用成果を発表しました。 わかりやすい数字で言えば、2023年6月1日から2024年5月31日までの1年間で、のべ18.6万時間、約21.23年分の労働時間を削減したそう。全社員合計とはいえとんでもない結果です。 詳しい内容はぜひ記事で、ということにしますが、ライターさんの取材には自分も同席していました。 その時に印

WWDC開催直前。アップルの生成AIでiPadやiPhoneはどう変わる?

5月から6月にかけて、IT業界は主にアメリカの企業の発表会ラッシュでした。 アップルの新型iPadの発表、OpenAIの「GPT-4o」発表、グーグルの「Google I/O」開催、マイクロソフトの「Build」開催といった具合です。 そして、こうした流れの「トリ」となるのは、6月10日(現地時間)開催予定のアップルの開発者会議「WWDC」です。 昨年2023年のWWDCはアップル初のヘッドマウントディスプレイ「Apple Vision Pro」が披露されました。 今

新型SurfaceではなくiPad Proを買ったワケ

こんにちは、Business Insider Japanのテック専門メディア・Tech Insiderの「ゆうこば」こと小林優多郎です。 今週も1週間のテック記事の振り返りつつ、編集裏話をお送りします。 今週はマイクロソフトの発表が大きな反響を呼びました。 マイクロソフトが「Copilot+PC」というブランドを立ち上げ、生成AIがより快適に使えるWindows PCを展開していく、という話です。 自社PCブランドである「Surface」も、もちろんこのCopilot