カツオくんの失敗

失敗は隠しておけば分からない。

夕方子供がお茶をこぼし、マット上を拭いていた。

表面上は解決した気配はするものの、マットをめくると、お茶の水溜りができていた。

まさかと僕が思ったことで、水溜まりは発覚した。

もし僕が居眠りしててお茶をこぼしたことを知らなかったら、きっと何も分からなかったはずだ。

世の中、仕事でもプライベートでも、証拠が残らなければ何をしても、逆に何をしなくても、何も気付けない。

みんなが見るネット上と現実の世界はやはり違う。

現実世界でも、頑張りはみんなに知らせたくて、失敗は自分は何もやらなかった振りしたくなる習性からは、人類史上もう逃れられないだろう。

カツオくんがテストで満点取って自慢することや、空き地の隣家の窓ガラスを割ってそっと逃げること。

どちらも人生の真理だと思うのだ。
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