マガジンのカバー画像

youkiの読書記録

8
読んだ本についてまとめていく。
運営しているクリエイター

2022年3月の記事一覧

記憶に残る児童書を書き連ねておく その2

前回は日本人作者の作品を紹介したので今回は外国の方の著作を紹介しよう。前回のnoteはこちら。 デルトラクエスト児童書の中で眼の惹く装丁といえば本作、デルトラクエストである。オーストラリア人の作者エミリー・ロッダ氏によって書かれた本作は現代的な内容の剣と魔法の物語だ。少年少女の冒険心をくすぐりつつも、時として血なまぐさい展開もある。だが、ハラハラドキドキする展開を望む子供たちが本作のきらめく宝石のような表紙を見かけて手に持ったら、ぜひそっと後押ししてあげてほしい。そう思わせ

記憶に残る児童書を書き連ねておく その3(完結)

児童書紹介シリーズの第3回兼最終回である。あまりだらだら続けても仕方がないのでいったんここで打ち切ろうと判断した。 さて、これまでは読んでて面白く、印象に残るというテーマで本を紹介してきたが、今回は少し毛色が違う本を紹介する。内容は忘れるかもしれないが、読んだという記憶だけは確実に残るような本を2冊だけピックアップして紹介しよう。 二十四の瞳第2次世界大戦前後の動乱を教員の目線で描いた小説が本作「二十四の瞳」である。教育的価値が高く、話としても面白い。映画化、アニメ化、ド

経済と生命と知性の共通点は?~「複雑系科学入門-知のフロンティアへの冒険」書評~

表題部分の画像を見たときにあなたは何を思い浮かべるだろうか?不思議な形だという素朴な印象を持つ方もいれば、おしゃれな模様だと判断する美意識のある方もいるだろう。私がこの類の図形を見ると真っ先に思い出すのは某大学の数学の過去問である。正三角形の一辺を3等分する2点を定めて、その2点を1辺とする正三角形を作る。この操作を繰り返していく数列の問題を解いたな…という記憶がある。部分的に見れば正三角形に過ぎないのだが、この操作を繰り返した際に現れる図形は(私からすれば)奇妙な性質を持つ