2024/02/18
1:
「え、何の話?」
と、自分が書いた文章にコメントが付いていた。ある文芸誌に寄稿した作品をそのままWeb転載したものだったので、文脈を理解していない人が読むと確かに怪文書に見えたかもしれない。が、あまりに直接的すぎて笑った。笑った後で、渦巻いている。こんなにも主人公として見ている世界の主人公は、自分ではない。そんな恐ろしい事実に、笑っている場合なのだろうか。
2:
人の脳みそに情報を流し込むようなもので、作家という仕事は、だから、情報を流し込まれたいと思われるような人間であるべきなのだろう。良い人の言葉も、良い人ぶる人の言葉も、頭には入れたくない。作家だなんて、名乗れるようなものだろうか。けれど、名乗らなければ仕組みの一つにもなれないと思う。
3:
物語る、ということは物語るためにあるのではないと最近思う。物語るという器の中で生きることなのだろう。そういうものを書こうとしている。「え、何の話?」とまた言われるだろうか。言われたらもう次の依頼は一生来ないだろう。そういう世界だ。自分が主人公ではない世界。
4:
燃やした命で自分の身を焦がさないように、書く。