内緒の魔法
好きな下着を身につけることは、好きな音楽を聴くことに似ている。お気に入りの曲を聴くとハッピーになったりリラックスしたりするように、選ぶ下着によって心が動く。気分を上げたい時には明るいデザインの下着を選び、気持ちを落ち着けたい時には着け心地の良い下着を選ぶ。
誰に見せるわけでもない。自分だけの楽しみ。限りなく、自由。そう、下着は自由だから好きだ。
子どもの頃、お姫様のドレスに憧れた。大人になった今でも、リボンやレース、フリルが大好き。お姫様のようなドレスを着るのは勇気がいるし、そんな機会もない。だけど下着なら遠慮なく可愛くできる。派手なピンクも、美しく重ねられたレースも、いつだって楽しめる。赤でも黄色でもレインボーカラーでも、どんな色でもデザインでもOK。
誰にも見られず、褒められることがなくても、かわいい下着をつけているだけで、気分は上々だ。誰にも内緒で、わたしはきれいで可愛い下着を好んで身につけている。
職場にお姫様的レースやリボン、美しい装飾のついた下着を着けていっても誰にも「今日はどうしたの?」なんて言われることはない。だけど実は洋服の下ではお姫様なの今日の私。そう思って一人にやにやしてしまう。それだけで楽しいから女に生まれてよかった。世の中にかわいい下着、美しい下着がたくさんあってよかった。
お姫様的デザインの下着だけでなく、おもしろいデザインの下着も好きだ。雨の日は、派手な下着がいい。外国に咲いているような大きな花柄の下着をつけると憂鬱な気持ちが吹き飛ぶ。落ち込んでいるときは、キャラクターものの楽しいデザインの下着をつける。いい大人なのに、子どものようなキャラクターものの下着を身につけている自分には、自分でも笑ってしまう。キャラクターから元気をもらう。
落ち着きたい時にはシンプルな下着やシックなデザインの下着がいい。ネイビーのシンプルな下着を上下セットでつけると、少し賢くなった気がする。わたしにとってスーツのような下着。大事な仕事の日はネイビーの下着と決めている。大事な仕事や試験の時に身につけてきたネイビーの下着は、お守りのように大切にしている。
下着はわたしがわたしのためにかける内緒の魔法。こっそり、心と体を支えてくれる魔法なのだ。お姫様にもなれるし、キャリアウーマンにもなれる。ちょっぴり童心に返ることもできる。サイズのあった下着を身につけると体がしゃんとして姿勢が良くなるし、お気に入りの下着をつければ心が整う。誰にも気兼ねすることなく、自分で自分のためにできること。下着は、毎日気軽に自分にかけられる、内緒の魔法。
どんな魔法を自分にかけようか。そう思って下着を選ぶ時間は楽しい。こっそり自分に魔法をかけながら、毎日を楽しんでいきたい。
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