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エピソード47 一目連

47 一目連

一目連(いちもくれん)は三重県の多度大社
(たどたいしゃ)別宮の一目連神社の祭神の
天目一箇命(あめの まひとつ のみこと)と同一視さ
れるが、本来は片目が潰れてしまった龍神であり、
同一視されるようになったという。

一目連は天候(風)を司る神とされ、江戸時代には
伊勢湾での海難防止の祈願と雨乞いが盛んに行なわ
れた。
壬戌(みずのえいぬ)の7月、京都の今出川辺りに
一筋の暴風が吹いて、家の天井に床や畳までも吹き
上げた。
しかし、風の通り道以外は被害が無かったという。
これは今でいう竜巻なのかもしれない。


47 一目連 オリジナルストーリー

時は鎌倉時代の中頃、比較的戦乱も落ち着いて来たか
に見える日の本の国に外部から最大の脅威が迫ってい
た。 

今やヨーロッパ迄も占領し世界最大の国家になった
モンゴル軍の襲来である。

鎌倉軍の総指揮官、北條時宗は高い丘から海を見つめ
ながらつぶやいた。

時宗:
伝令からの知らせでは蒙古軍の戦力はわが軍10倍と
聞く、2倍3倍ならばわが鎌倉幕府軍の精鋭たちなら
互角以上に戦える。しかし10倍の戦力差では...

蒙古副長:
やっと陸が見えてきた、大陸の大半を占領しもう敵の
無い我が蒙古が、皇帝の命令とはいえなぜこんな東の
端の島国を攻めなければいけないのでしょう。

蒙古将軍:
そう言うな、なにか皇帝の先祖がこの島国の生まれら
しくクロウヨシツネと呼ばれていたらしい。
だから祖先の土地を奪い返すとの仰せなのだ。

それに噂ではこの島国には膨大な黄金が眠っていると
いう情報もある。どれだけの黄金かは分かっていない
...つまり早い者勝ちってことだ。

蒙古副長:
なるほど、そういう事でしたら私の直属軍が一番乗り
してこの国を攻め落とし、黄金を探す前にこの国の羊
を全て食い尽くしてやりますわ、ハハハハ!

蒙古将軍:
この国に羊はあまりおらんと思うぞ。......

船の上でそう言ったやり取りをしているうちに、蒙古
軍の船は九州の陸地に近づいてきた、船の上ではドラ
をバンバン鳴らし、火薬の入った球を投げてきた。

日本の武将たちは今まで見たことも聞いたことも無い
戦い方にあっけにとられて、呆然としていた。

この状態を見ていた時宗は側近の陰陽師を呼んだ。

時宗:
わが軍の武将たちは蒙古軍のあの爆発音と火花に恐れ
おののき戦意を失いかけている、こうなっては安部お
前達陰陽師が敵の将軍を呪い殺して形勢逆転するしか
あるまい。

陰陽師:
お言葉ですが、時宗様。 蒙古軍は軍律がはっきりし
ており将軍一人を倒しても何も変わらないと聞き及び
ます。

時宗:
ならば、どうすればよいのだ。     

陰陽師:
私に良い考えがございます。
古き言い伝えにある「一目連」なる妖怪を呼び起こす
のです。そしてこの海に大風を吹かせて敵の船を沈め
るのです。

時宗:
わかった、安部、後はお前たち陰陽師に託す。
なんとしてもあの蒙古軍を追い返してくれ。
頼んだぞ!

こうして陰陽師100人が三日三晩祈祷を行い、
いにしえの大妖怪「一目蓮」を空の彼方から呼びよせ
た。

晴天に突如として現れた大きな黒い雲の真ん中には
蒙古軍をにらみつけるこの世のものとは思えない一つ
目があり、蒙古軍は金縛りにあったように動けなくな
っていた。

一目蓮は船の帆を一瞬で破るすさまじい強風を巻き起
こし、20mを越える波は蒙古軍の船の半数を海の藻
屑と化した。

そしてあっという間に消え去り空は快晴に戻っていた

時宗:
なんという凄まじい破壊力じゃ!
あの妖怪が通り過ぎたところの蒙古軍の船は全て消え
失せている、まさに我らにとっては神風じゃ!

蒙古将軍:
いったい何が起こったのだ!この島の奴らはどんな
兵器を使ったのだ? 
いずれにせよもうわが軍で戦える者は1割にも満たな
いだろう、仕方ない引き上げだ!

しかし、この島のものどもよここは退くが必ずこの国
に我が蒙古軍が乗り込みモンゴル相撲でこの国を席捲
したてやるからな!

それから800年後この予言は現実となった。

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