エピソード22 雲外鏡
22 雲外鏡
雲外鏡(うんがいきょう)は、特殊な鏡が長い年月
を経たのちに変じたという、日本の妖怪の一種。
鳥山石燕の妖怪画集「百器徒然袋」に描かれている。
民俗学的知見から、鏡の付喪神(つくもがみ)
と見られる。
鳥山石燕の雲外鏡では化け物の正体を明らかにする
「照魔鏡(しょうまきょう)」と呼ばれる鏡が、
長い年月を経た末に妖怪化したものとされている。
公家の屋敷にある丸鏡として描かれている姿は。
鏡はすだれ御簾(みす)の陰から半面のみ姿を
見せており、怪しげな黒雲を伴っている。
その鏡面には邪(よこしま)な雰囲気をただよわせ
つつ舌を出してこちらに視線をくれる化け物の顔が
浮かび上がっている。
漫画家・水木しげるの説明では、
十五夜の月明かりの下で石英のトレイに水を張り、
その水で鏡面に化け物の姿を描くと、鏡の中に
化け物が棲みつく。
それが雲外鏡であるという。
22雲外鏡 オリジナルストーリー
古くからの大きな洋館の中に、
これまた古い大きな鏡があった。
この鏡は先代当主婦人が魔術に興味があったため
月夜の儀式により魂を吹き込まれた鏡だった。
この一番奥の部屋に現在の当主の孫、
優が何か探し物をして入ってきた。
優:
あれ~おかしいな...
僕のメガネどこ行っちゃんだろう?
あ、あった暖炉の上か、
こんなところに置いた記憶ないんだけどな。
しかし、いつ見ても気味の悪い鏡だな~。
まるで見ている人間が吸い込まれそうだ。
鏡:
ほ~、お前は普通の鏡とワシの違いがわかるのか?
奥様からは気軽に口をきいてはならないと言われて
いたが、直系の血筋のお前にならいいだろう。
優:
え~鏡がしゃべった。お前は何者だ。
鏡:
ワシは雲外鏡、
お前のひいばあ様から命を授けてもらったモノだ。
ワシの鏡は人の本当の姿を映し出す、だから
奥様から正体を見せるなと言われていたんだ、
でも、ワシも50年もじっとしているのには
もうあきた。お前、どうだお前の一族の本当の顔
を見たいとは思わないか?
いいや見せてやるVTRスタート。
鏡には優の祖父、現・当主の姿が映し出された。
祖父:
この家のものどもときたらワシの莫大な財産を
狙って、ワシにおべっかを使いワシの顔色を見
ながら、ワシが早く死ぬのを願っている、
もう誰も信用できん!
鏡:
もう一人見せてやる、今度はお前の叔父さんだ。
VTRスタート。
叔父:
あのじじいいつまで生きているつもりだ、
兄夫妻が亡くなり、ジジイの遺産を引き継げる
のは俺と優だけ、、、ジジイが死ぬ前に優を
何とかすれば全ては俺のものだ!
鏡:
どうじゃ?人間とはあさましいモノであろう。
金のためなら家族でさえ敵なのだ。
ど~れ、お前の正体も見てやろう、
ワシの前では演技は通用しないぞ。
ん~どういう事じゃ⁉
お前はなにも変わらない、今のまんまじゃ!
こんな無欲で誠実な人間は初めて見た。
気が変になりそうじゃ、恐ろしい!
、、、出ていけ。
優はお前の本性は他の誰にも見せるなよ
と言い残して部屋を出て行った。、、、、
すると優が出ていくのを確認してから
部屋に若い女が入って来た。
その女は昨夜、洋館の近くの森で倒れているのを
優が自宅に連れてきて介抱してあげた女だった。
女:
雲外鏡、よくできたわねほめてあげるわ。
雲外鏡:
どういう事じゃ?
ワシはお前とは初対面のはず、
なのになぜワシのことを知っている。
女:
そうね、たしかに初対面よ。
でも、お前のことはお前が奥様と呼んでいる
女から昔聞いたことがあったのよ。
鏡:
どういうことだ奥様はもう50年以上前に
亡くなった。お前が会えるはずがない。
えいお前の姿を見せろ!
ど、、どういうことだワシの鏡に映らん。
女:
そう、私は鏡に映らないバンパイア。
夜のうちにコウモリを使って優のメガネを
運ばせ、お前にこの一族の本当の姿を優に
見せる計画にまんまとはまったのよ。
鏡:
どういうことだ?
なぜおまえは優にそこまでする?
なにが目的なんじゃ?
女:
目的?そんなもの、私にもわからないわ。
でも、毎晩月を眺めている優をみて、、、
愛してしまった。
もう誰にも優を傷つけさせない。
そう思っただけ。
そして私の正体を知ってしまったお前も
片付けないとね。
鏡:
や、やめてくれ、ワシは誰にも話さないから...
パリーン(鏡の割れる音)
これで私の正体をわかるものはいないわ、
あとは邪魔者をしまつして、優を魅了すれば、
永遠に私たちは...。
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