お花見編2
俺は人並みにお花見をする。といっても似たようなことは年中飲っている。公園や河原に椅子を持っていき、時にはクーラーボックスなども持っていって盛大に飲る。ここで言う盛大にとは、せいぜい乾き物のおつまみと缶ビールの数がいつもより多いという程度のことである。
春夏秋冬、花鳥風月に趣きを感じ、家族連れに白い目で見られようとも泰然自若と酒を煽る。それが俺のライフスタイルである。お花見もその一部に過ぎず、正直葉見でも木見でも水見でも鳥見でもなんでも良い。ただお花が咲いていたら少し長居をしちゃうというのは否めない。桜は良いものだ。
コロナも落ち着いたのか落ち着いていないのかよくわからないが、とにかく人出は増えた。みな心置きなく花より団子をしている。普段人気のない近所の史跡にもキッチンカーが来て何やらお祭り騒ぎの様相を呈していた。俺はお祭りも好きである。
春は抑圧からの解放の季節だ。冬に首根っこを掴まれ抑えつけられていたのが、冬の手を離れフッと立ち上がれるようになる。そんな喜びとそこはかとない寄るべなさを感じながら短い春夏を楽しもうと思う。
じゃ、また。