振り回されず、振り回す
いまやっている仕事を通して感じるのは、プロジェクト環境において「振り回されていては、絶対に駄目だ」ということだ。
権限や決定権、上位の立場、お金があれば振り回せるかと思うかもしれないが、それは大きな勘違いだ。
むしろ、せっかくそうした材料があっても、うまく活用できない人の方が多い。
なぜなら、依頼者と受諾者は、原則的に対価(報酬⇄成果)を等価交換する関係にあるからだ。
いくら怒鳴りつけようが、泣いて喚こうが、段取りが悪ければ、欲しい成果物は生まれない。欲しいものが手に入らず、事後処理や後始末、言い訳に奔走する上位者は、完全に、状況に振り回されている。
どんな取り引きも、等価交換ではあるが、アウトプットは対価だけではない。そこには必ず副産物がある。むしろこの副産物こそが大事である。いかに自らの欲する副産物を引き出すか。その交渉とはルール無用の意思と意思のぶつかり合いである。
相手を振り回すためには、代替不可能な価値を持つ必要がある。利害の構造を見抜き、おのれの生み出せる価値を、最大限活かせる急所にぶつける。状況に働きかけるとは、そういうことであり、振り回されず、振り回すとは、そういうことである。
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