移植医療
最近、NetFlexにも飽きててN H KオンデマンドとかTverとか見たりしています。NHKのプロフェッショナル、2009年に放送されたニューヨークのコロンビア大学の移植外科の教授の加藤友朗先生の回を見ました。放送された当時もみた記憶がありますが改めて見て、また感動しました。典型的なのは膵臓癌を取り除くために一度に胃、大腸、小腸、膵臓などの多臓器を移植する手術です。ぶっ続けで31時間の手術。加藤先生は途中2回の極めて短時間の休憩を取っただけです。我々、泌尿器科の医師も膀胱全摘+新しい膀胱を小腸で作る手術をし、長い時には8〜9時間かかります。それでもへとへとに疲れますが、31時間は想像を絶します。自分がやり通さなければならない、やらなければ患者さんは忽ち重篤になる。そんな環境の中で自分を追い込み、強い信念のもとにでしかできないことと思います。泌尿器科でも腎移植をしますので、移植した腎臓から新たに尿が出てくると感動します。移植は手術後も免疫抑制剤などを使い慎重にフォローしなければなりませんが、もともと状態の悪い方に移植しますし、移植して間もなく状態が改善して行きますので、この31時間の手術を受けた女性が「第2の人生を加藤先生から頂いた」と言うのも本当にそう感じるのだろうと想像します。このテレビを見た後に加藤先生が書かれた「移植病棟24時」集英社文庫を読みました。何人かの困難だった移植患者さんを例に出して説明していますが、文化の違い、移植の環境の違い、など考えさせられることがとても多かったです。本の解説で最後に加藤先生の言葉として「外科医の最も重要な資質は手先の器用さや手術の早さではなく、経験に基づく判断力」とありました。心から本当にその通りだと思います。頑張らなければ! NetFlexばかり見ている場合じゃない!!ですね