市場とのギャップに苦悩。購入後の先を見据えたモノづくりをするワケ。
レディーススーツの中でも多くのファンがいる、HILTON(ヒルトン)。
厳選されたインポートの生地を使用し、細部のディテールにこだわった本格スーツを毎シーズンアップデートしています。
ビジネスシーンで活躍するのはもちろん、スタイルアップを叶えてくれるデザインが魅力です。
今回は、HILTONスーツのバイイングを担当している髙井さんにお話しを伺ってきました。
髙井さんおすすめスーツもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
レディス事業部 サブマネジャー 髙井さや
2016年入社。関西エリアの店舗で販売職を経験後、ディストリビューターとなる。その後、商品部へ異動。2021年より新設されたレディス事業部へ異動し、重衣料(スーツ・コート)のバイイングを担当。
1年目にやってきたチャンス
入社以前から当社の商品企画の仕事に興味があり、当社の選考を受けていました。入社後は関西エリアにある店舗で、販売員として勤務。
1年目の終わりごろに商品部の社内公募があり、「これはチャンス」と思い手を挙げました。はじめは商品の勉強も兼ね、レディースアイテムのディストリビューターとして従事。その後、念願の商品企画の仕事に就きました。
商品部へ異動当初は、パンプス・バッグ・ベルトなどの洋品をメインで担当していました。
スーツやコートの重衣料は洋品と並行して携わっていましたが、メインで担当するようになったのは2020年からです。
思い出のアイテム
中でも初めて企画したアイテムが一番印象に残っています。
AW商品(秋冬商品)のスーツになるのですが、当時私を含め複数人で冬の悩みである静電気を抑制できるアイテムの企画を進めていました。
既存の機能はそのままに、カーボンを練り込んだ糸を使用し、ほこりの付着・着用する際の静電気のまとわり付きを抑制する工夫を新たに施し、デザインの幅を広げました。
何度もメーカー様と打ち合わせを重ね、どのようなものが出来上がるのかというワクワク感。そしてお客様は受け入れてくれるだろうか、というドキドキ感は今でも忘れられません。
投入後には、周りのスタッフや店舗で勤務している同期が「かわいいね」とデザインを褒めてくれたり、「着心地が良かった」とわざわざ連絡をくれたりと、とても嬉しかったです。
お客様の反応も伺い、喜びのお声があった時はホッとしましたね。
市場が求める価値とのギャップ
先ほどは成功体験をお伝えしましたが、苦悩も当然あります。
過去に市場のトレンドに合わせ、自信を持って企画したアイテムがありました。社内では大変好評だったのですが、投入後は思ったより反響がありませんでした。
今は当社の人気アイテムとなっていますが、当時は「デザインがカジュアルすぎてビジネスで着用するのにはちょっと勇気が必要」とお声をいただきました。市場のトレンドも重要ですが、お客様は安心してビジネスで着用できるものを求めていたんですよね。
大切なのは、お客様の着用シーンとその表情を想像すること。
購入後の先を見据えたモノづくりをしていくことが大切です。
お客様が「青山のアイテムだから安心して着用できる」と仰っていただけると嬉しいですね。
また、店舗スタッフだけでなく、他部署の方々も同じように思ってくれて、「コーディネートしやすいね」「今回の新作かわいいね」と話題になり、「青山のスーツを着たい」と思ってくれたら嬉しいです。
当時掴んだチャンスを最大限生かし、すべての女性の人生に服で安心感を与えるアイテムを創っていく。
勝手ながら私の長期的な夢です。
今季初のこだわりアイテム
個人的におすすめはHILTON(ヒルトン)のスーツです。
実はHILTONでは初めての接触冷感機能を付加しました。表地は光沢感のある生地で、今回は夏らしくライト系のカラーで仕上げました。
今まではインポートらしい色柄を重視してきましたが、ストレッチ機能のある生地を選んでみました。
こちらのスーツはウール75%・リヨセル25%を使用しています。
リヨセルの特徴は接触冷感性と、程よいドレープ性がウールよりあり、しなやかな動きが表現できるレディーススーツにピッタリなんです。
裏地にはキュプラを使用しているため、滑りが良くなり着心地抜群です。
これから徐々に気温が高くなる夏に、ジャケットを着る方に向けて、少しでも快適に過ごしてほしいと思います。
今回特別にメーカー様からオリジナルの下げ札を作っていただいたので、ぜひ見ていただきたいですね。
光沢があり、高級感のあるデザインに仕上がりました。
オンラインストアの商品画像や、店舗で実際に目にすることで分かる情報はありますが、機能を実感するのには試着いただくことが一番です。
まずは腕を通していただけると嬉しいです。