井上靖「風林火山」
井上靖の小説『風林火山』を読み終えた瞬間、まるで第四次川中島の戦いを目の前で観たような壮絶な感覚に包まれました。迫力ある戦の描写と、戦国時代を生き抜いた人々の姿に引き込まれ、気づけばあっという間に読み終えてしまったのです。
本作では、若き武田信玄の姿が印象的に描かれています。性欲旺盛な青年時代のエピソードには、時代を超えた人間味を感じ、どこか親近感を覚えました。とはいえ、彼の本領はやはりリーダーとしての才能と戦闘センス。今の長野県を次々に攻略していく様子は圧巻で、まさに天才的な戦略家の姿を見せつけられます。
そして、この信玄の右腕として仕えた山本勘助という存在もまた、読者の心を動かします。信玄という稀代の名将に巡り会えた勘助は、間違いなく幸せ者です。戦国時代の厳しさの中で、自分の力を存分に発揮できる主君に仕えることの喜び。それは、現代の私たちが羨ましく感じる「理想の上司と部下の関係」かもしれません。
さらに、信玄と謙信の激突は、戦国時代そのもののエネルギーを象徴しているように感じました。彼らが見せる圧倒的なパワーは、読者を否応なしに戦国時代の熱気へと引き込みます。
『風林火山』を通して、今年は長野県に思いを馳せる機会が増えました。次は、実際にその地を訪れたいと考えています。信玄ゆかりの地や川中島古戦場を巡り、歴史に触れる旅をしてみたいです。1週間くらい、どっぷり長野に浸る旅行を計画してみるのもいいかもしれません。
この小説をまだ読んでいない方には、ぜひ手に取ってみてほしいです。戦国時代の人々の生き様や、壮絶な戦の様子に心を奪われること間違いありません。歴史好きもそうでない人も、読み始めたらきっと止まらなくなるでしょう。
戦国時代のロマンを感じさせてくれる『風林火山』。あなたもこの熱気を体感してみませんか?