コーチと選手2足のわらじ
高校3年の夏、九州大会。
表彰式前に並んで待っていた時だった。
「君、高校3年生⁇」
突然話しかけられてびっくりしたが、一瞬で
あっ、この人強いってわかった。
短髪で金髪、道着もキマっている。
オーラが違った。
やはり私の勘は当たっていた。
この人はその年、全国3位になる。
「君、けっこう強いね。試合観てたよ。高校3年なら進路もう決まってる?」
「いえ、実はまだ決まってないです。」
私は当時、テコンドーで日本一強いと言われていた東京のとある大学に進学を希望していた。だが、親か