あなたのために→自分のために
「自分ができることは、人の心を揺さぶること」
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(この記事は、身分限らず、サービス業に携わる人に読んでほしい文章です。)
さて、晴れて自分が代表となってコーヒー屋を始めたわけですが
ほんっと、様々な面で
「どうしよう・・・」
って、思う事がありました。
特に、分野的に触れた事がない事がほとんど。
・集客
・広告
・店舗マネジメント
・店舗オペレーションの確立
・代表としての言動
・買い付け
など
とにかく、たくさんの壁が目の前にどんどん押し寄せてくる。
その中で、やっぱりお客さんとして来てくれる方々が、心の支え。
でも、その人たちって誰しも
別に、自分のためにきてくれているわけではない。
もちろん、
「会いにきた!」と言ってきてくれる、とってもありがたい人もいるかもしれないけど
コーヒー屋さんだから、コーヒーという商品を求めてきている。
スイーツも出しているから、そのスイーツを求めてきている。
だから、最初にその人にもたらす空間や事物は、どこまで行っても
「あなたのため」
つまり、その方が商品や空間を楽しむ仲介役として、私は存在するということ。
自分のために来てくれる人なんて、本当にごくわずか。
こんな当たり前のことに気づくのに、すごい時間がかかりました。
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でも、違った視点から、異なる捉え方はできる。
「あなたのため」に来てくれた人を、「自分のため」にシフトさせることはできるんじゃないか?
つまり、自分が人の心を揺さぶったり、何かしらその人の存在意義となる事で、次は自分のために来てくれる。
これが可能なのは、AIによるデータ分析による優れたマーケティングとかじゃなくて
自分が人間としてのみ可能なことで、それが自分が皆さんのために与える事ができる価値として、最も大きくて、しかも唯一のものだ。
そんなふうに、思ったんです。
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飲食やアパレルといったサービス業は
時に、感情労働と呼ばれ、自分を犠牲にすることが求められます。
それは、身分を問わない。
バイトでも、正社員でも、社長でも現場に出れば皆同じ。
でも、その感情を、犠牲にしないでほしい。
だって最初は、誰も「自分のため」に来てくれない。
でも、そこに自分の感情や強みを乗っけて、好きも嫌いも楽しいも悲しいも
全部伝えたっていい。滲み出ててもいい。
もしかすると、場合によってはネガティブな感情が、これからの可能性を狭めちゃうかもしれないから、あんまり見せない方がいいかもしれないけど
とにかく、その先に現れる、「自分のため」に来てくれた人って、絶対人生で大切な人になる。「ああ、この人のためなら頑張れる。もっと自分を魅力的に成長させて、恩返ししたい。」って思えたりする。
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「自分がアイドルだ」なんて、口が裂けても言えませんし、そう思うことは一切ありませんが
「あなたのため」に来てくれてた人にとっても、「自分のため」っていう楽しみが増えると
みんな人生、もっと楽しくなる気がする。
私はバリスタであり、オーナーですが、生身の人間です。
この記事の最初にあげた、様々に現れる壁。
大した武器も防具も持たない自分が、その壁をぶち壊したり、躱しながらここまでやってこれたのは、間違いなく来てくれた方々のおかげ。
誰もが、これからも、「自分のため」じゃなくて、「あなたのため」にくる人とたくさん遭遇するだろうけど
それが、一人でも二人でも、自分のために来てくれるようになってくれると
フワッと、心が楽になるかもしれません。
それでは。