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提案書はプレゼント -相手を想う気持ちが価値を生む-


プレゼントの本質

誕生日や記念日、私たちは大切な人にプレゼントを贈ります。そのとき、なぜ相手は喜んでくれるのでしょうか。それは、そのプレゼントに込められた「相手を想う時間」があるからではないでしょうか。

ギフトカードでも十分に価値のあるプレゼントです。しかし、「この人ならきっとこれが好きだろう」「これを使って笑顔になってくれるだろうか」と、相手のことを考え、悩み、選び抜いたプレゼントには、また違った特別な価値があります。その価値は、贈り手が費やした「想いを巡らせた時間」にあると私は思います。

提案書という名のプレゼント

ビジネスの提案書も、実は同じではないでしょうか。
パワーポイントの洗練されたテンプレートや、美しく整えられたグラフ。確かにそれらは重要な要素です。しかし、本当に相手の心を動かすのは、その提案書に込められた「相手を想う気持ち」なのです。
テンプレートを使い回した提案書からは、どこか無機質な印象を受けます。一方で、たとえ手書きのメモのような形であっても、相手の言葉で語りかけ、相手の課題に真摯に向き合った提案は、不思議と心に響くものです。

心を揺さぶる提案とは

では、どうすれば心を揺さぶる提案ができるのでしょうか。それは、相手のことを本気で考え抜くことに尽きます。
この課題に、なぜ今向き合う必要があるのか?この解決策は、本当に相手の未来を明るくできるのか?私たちは、どのような価値を届けられるのか?

こうした問いに、真摯に向き合う時間を持つことで、提案はぬくもりを持ち始めます。

パートナーシップという約束

さらに重要なのは、提案がゴールではないということです。それは、むしろ新しい関係性の始まりです。
プレゼントを贈った後、相手の喜ぶ顔を見たいと思うように、提案後も相手の成功を共に目指し、成長を共有できるパートナーでありたい。そんな想いも、提案書には込められているべきでしょう。

価格を超える価値

製品の価格や、工数の単価は、確かに決められたものかもしれません。しかし、そこに込める「想いの価値」に制限はありません。

相手のことを考え抜き、最適な解決策を模索し、実現への道筋を示す。そうした努力は、時として製品やサービスの価格以上の価値を生み出します。なぜなら、そこには他では代替できない、あなただけの「想い」が込められているからです。

おわりに

提案書は、単なるビジネスドキュメントではありません。それは、相手への真摯な想いを形にした、大切な贈り物なのです。
テンプレートは、いくらでも手に入ります。しかし、相手のことを本気で考え抜いた提案は、唯一無二の価値を持ちます。それは、あなたの想いと時間が生み出した、かけがえのない贈り物なのです。
AIが購買活動を代替するようになろうと、意思決定は人の思いが入る余地が多いに残ると考えられます。
この提案書を手にした人が、その想いに触れ、心を動かされ、共に未来を創っていきたいと感じてくれる。そんな提案書を、私たちは目指していきたいものです。

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