ある頃まで、人間は進化していて、世の中は良くなっていくんだと漠然と考えていた。
なにが「進化」で。なにが「良い」のかすら考えていなかったが、そう思い描いていたのだ。
だけど、近年いろいろなことを見聞きする度、実は人はそんなに変わっていないのではないかと思うようになった。
同じようなことは繰り返されるし、互いにいがみ合ったり、どうしようもないことで対立する。
それが悪いのではなくて、人間の性だから仕方ない、と思うようになったのだ。
長い目でみて、それが環境を破壊したり、取り返しのつかないことになっても、それはそれで仕方ない。
それでも、「良く」変わっていることはあるし、楽しいことがあるのもまた事実だ。
どう見たって、良くないことも悲劇も愚かさもあるし、同じように楽しさや幸せも存在する。

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