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UXデザインプロジェクトを円滑に進めるコツ
ソニックムーブでは、ディレクターだけでなくデザイナーもプロジェクトの進行を取りまとめたり、定例会議のファシリテーションをすることがままあります。
特にUXデザインの工程を含むプロジェクトは、デザイナーが取り仕切ることが多いです。
今回は、UXデザインプロジェクトをスムーズに進行させるためのコツを4つ紹介します。
1. 最初にプロジェクトについての共通認識をとる
プロジェクト開始時に、以下の項目を必ず関係者全員ですり合わせします。
プロジェクトの背景・目的・ゴール
プロジェクトを実施するに至った背景・課題感とプロジェクトの目的・目指すべきゴールをキックオフミーティング時にすり合わせをします。
言語化して、同じ文章で全員で理解することが大事です。
UXデザインプロジェクトでは特に、共通認識をもつこと、全員が同じ方向に向かって進むのだという意識が重要になってきます。
スコープ(自社の対応範囲)と成果物
対応範囲と成果物は、クライアントと自社とで認識がずれがちです。
クライアントとしてはより多くの範囲を対応してもらいたいと思うものですし、プロジェクトが進む中で対応範囲が曖昧になってくることもあります。
こちら側としてもより良いものを作りたい心情からずるずると対応していたら、気づくとコストオーバーしていたり・・・。
最初にきちんとすり合わせ、プロジェクトのスコープと成果物をいつでも確認できるようにキックオフ資料にまとめておきます。
2.UXデザインの工程を説明する
よりよいサービスのためにはユーザー体験が重要だ、と理解しているクライアントも、具体的なUXデザインの知見はないことがほとんどです。
ペルソナ設計、カスタマージャーニーマップ、ユーザーテスト、、、これらのUXデザイン工程を何のために実施し、どういうアウトプットが出てくるのか、サービスを設計する上でどう役に立つのかをきちんと説明します。
UXデザインは仮説と検証に基づく論理的な設計手法なので、その工程をクライアントに理解してもらうことで、制作プロセスと最終成果物に対する信頼感と納得感が高まります。
3. 工程の現在地を確認する
定例会議などでは、毎回かならず現在進めている工程がUXデザインプロセスのどのあたりで、次に何を実施するのかを提示します。
UXデザインでは、工程ごとにクライアントのレビューや承認が必要なものですが、全体の中での現在地を示すことで、どのタイミングでどういった確認が必要になるのかが明確になり、クライアントも準備がしやすくなります。
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4. ユーザー視点を忘れない
私たちが目指すのは、素晴らしいユーザー体験を提供した結果としての、クライアントのビジネスの成功です。
クライアントはユーザーにより良いサービスを提供したいと思っているものの、ついつい事業者目線での要望や機能を優先することがあります。
その要望が明らかにユーザー体験を阻害するものであるならば、確固たる意志をもって、あくまでユーザー視点で意見をすることを恐れてはいけません。
ペルソナやジャーニーマップ、ユーザーテストの結果など、論理的なエビデンスをもって、クライアントと一緒に最適な解決策を見つけていく必要があります。
まとめ
コツを4つ書き出してみましたが、ふりかえってみると、いずれも同じ内容がベースになっていますね。
なにはともあれ常にクライアントと共通認識をとりながら進めることが大事!ということです。
共通認識の醸成・・・コミュニケーションスキルが問われるのでしょうか?いえいえ、必要なのはそれだけではありません。
・・・おっと。長くなりそうなので続きは次回に。