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彼を失ってから、かつてボーカルを失ったバンドのライブに行って思ったこと②

↑これの続きです

けっきょくまる一日有休をとったので
ライブの前にひとりで坂本龍一展に行った

家からなかなか距離のあるその美術館に着くまで、
彼がいたらこの時間はなにをしてたんだろうと考えていた
いっしょに展示、くっついて来てくれてたんだろうか。
彼も坂本龍一が好きで
坂本龍一が亡くなったという速報がスマホに届いてそれを知ったときもいっしょにいて
号泣する私を慰めてくれた
彼の前で大泣きしたのはそれがはじめてだったかも

展示はチケット買ってたのに入場まで40分待ちでマジかと思ったし
内容はわりとさっぱりピーマンだったけど
音楽がすてきなことは間違いない
霧、煙、水、雨、とかそんなものの印象が強かった

展示1、
入場してから最初に観る(聴く)展示はなんだか
時間という概念について説かれているような、なんとも不思議な印象だった
石垣の石をひとつずつかたちを確かめるようになぞるおじいさんの映像の印象が凄い
〈人生なんてちょっとヒキで見れば、どれもかたちも大して変わらん、平凡なものなんですよ。〉
という意味にも思えたし、
〈人生なんて、どれを選んだって大して変わらないのにいちいち選り好みしてるのはちゃんちゃらおかしいですよ。視野を広げなさい。〉
〈人生は同じことの繰り返し。大して変わらん石の違いを探すような。〉
という意味のようにも思えた

あとは展示10、
これがいちばんSNSでもよく見る、
中庭に定期的に霧が噴出してくるやつ
霧の中でスマホをかざしている人ばかりだと揶揄されているのを(そうだそうだ)という気持ちで見ていたので強がりもあり写真は最低限におさめ、
またあまりミーハーなこともしたくないのでずっと同じ場所に立ちすくんでいたのだけれど
実際に霧の中にいるとびっくりくらい視界の先が見えなくなって焦った
すこし先がまったく見えない霧の中で突っ立っていながら、
てかなんか今の私の心境みたいじゃん!?
とか思った

難解な展示の数々を見ながら、横に彼がいたらなんて思ったのかなーとか
そんなことばかり考えてた
そういえば21世紀美術館に行ったときはお互いよくわかんないねーという感じだったので
きっとそんな感じだったんだろうけど
でもとにかく若い頃の坂本龍一好きすぎるので
久しぶりにキュンして良かった
グッズも買った

せっかくのおやすみだし、と思って余裕ぶっこいて
そして自分の推しトップ3に入る坂本龍一様に会いに行くとなれば、
と私にしては珍しく時間をかけて良い女っぽい見かけになるように身支度をしていて(この展示のために買ったワンピースとバッグをおろし、アクセサリーをいつもの3倍つけ、香水までちゃんとつけた)家を出るのが遅かったし
坂本龍一展入場まで40分待ちという誤算により
この日のメインイベントのNew Orderの物販にはなんとかぎりぎりで向かうことに

そしたら、けっきょくグッズ買い終えるまで、
コーヒーしか口にしていなかった
彼は休みの日なんかぜったいにぜったいに食事を抜くわけないから、
彼がいたらゆっくり昼ごはん食べてて坂本龍一展なんか行ってる暇なかっただろうなと思うとなんか笑えた

彼といたときほど最近ご飯食べずにすんでる気がする
お菓子ばかりつまんでいるけど酒もそこまで飲まないしカロリーたっぷり手料理も作ってもらえないのでちょっとくらいは痩せたんじゃないだろうか
とか

グッズも、正直(要るか…?)と頭のなかで声が響いたけれど
このライブに来たという証を残したくてタオルとバッグを買った
彼はきっと東京限定のTシャツともう2,3枚くらいはTシャツを買って、あとはタオルも買ってただろう
Tシャツは買わなかったけど、買ったグッズは今度彼のお骨に見せびらかしに行こうと思った

ぶじにグッズ買えたあと、彼の友達と合流した
一度しか会ったことがなかったけれど、
彼の話がたくさんできて
本当によかった

●まだ本題に入れませんでした、
ライブまでたどりつけませんでした、
続きます

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