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【年齢のうた】ザ・コレクターズ その3●加藤ひさしが抱える、若さに対する思いについて

相変わらずドタバタしている青木です……。あまり急かさないでください。まあお気持ちはわかりますけども。

そんな中、月曜は渋谷にアレックスGを観に行きました。ひじょーに良かった!


いかにもUSインディーのシンガーソングライターという風情があり、その上に、実は初期のニルヴァーナやダイナソーJr.を思い起こしもしました。くぐもった響きの声質もあって。


それから……人生で初めて、すき焼き風煮を作りました。まあまあの出来。もう気持ち、濃いめの味付けでも良かったね。

またも玉ネギ多めであった

ではでは、コレクターズの3回目です。

コレクターズが唄う10代へのシンパシー


今回ここでコレクターズを取り上げるにあたり、ひとつ気づいたことがある。彼らの歌は、つねに若い心の味方であるということだ。

このバンドのディスコグラフィの中に何曲か存在する、年齢について言及した曲。その中の「10代」について語ると……。まずファンにおなじみの曲としては「TEENAGE FRANKENSTEIN」がある。ライヴの定番曲で、ビートが強いぶん、会場での盛り上がりは必至。

1997年発表のアルバム『HERE TODAY』の収録曲である。

曲の内容は穏やかではない。
歌の主人公が髪を染めていたり、途中のマトモって一体何だい?という歌詞があったりする。この言葉は、こないだ触れた映画『さらば青春の光』のストーリーとリンクしていて……実は主人公のジミーが、まともになれ!という父親に向かって言い返したセリフなのだ。

そして歌は、街の中で荒れ、暴れ回る10代の心情にフォーカスしている。

背景としては、90年代は巷に「親父狩り」なんて言い方が浸透しはじめた頃で、荒れる若者たちが社会問題化していたことが考えられる。ただ、この歌を書いた加藤ひさし自身は、その荒ぶる10代のほうにシンパシーを寄せている。
1997年当時、彼はすでに30代で、10代からはもう遠ざかっていた。しかし、それでもここで若い気持ちに心を向けているのだ。

もう1曲は、「World -theme from teenage gangstars-」。最近では、渋谷クラブクアトロでのマンスリーライヴの10月編の本編ラストで演奏されている。

こちらは1999年のアルバム『BEAT SYMPHONIC』のオープニング曲。

これは裏読み不要だろう。奪い取れ、掴め、夢を現実に、と10代を鼓舞する歌。その子たちのことをギャングスターズとしてはいるものの、やはり気持ちは寄り添っている。そして背中を押している、そんな曲だ。

晴れきらぬ10代を送った加藤ひさし。しかし彼の心は、つねに10代の側に立とうとしている。

30代以降に大きくなった?若さへの気持ち


このほかにも加藤は、若さに対する思いを作品化してきている。

次の曲は「A TASTE OF YOUTH」。若さの味わい、とでも訳すのだろうか。
インストで、加藤はスキャットを叫んでいる。

1999年のアルバム『Supersonic Sunrise』収録。今でも時々、ライヴ終了時のSEなどで流れている。


続いて、「青春ミラー」。2010年のアルバム『青春ミラー(キミを想う長い午後)』のタイトルソングである。


そして近年では、2018年のアルバム『YOUNG MAN ROCK』。そのものズバリのタイトルだ。

このアルバムについて語った動画がこちら。

加藤ひさし パワーポップみたいなロックがずっと好きで、永遠に「TOO MUCH ROMANTIC!」みたいな歌を聴きたいなぁと思う人も少なくないと思うんだよね。そういうのに応えるために、若ぶってる。

古市コータロー コレクターズでギターを弾くのと似てるところがあるかもしれないね。相変わらずジャキーンと決めたいなっていう。

こうしてたどってきて、気づいたのだ。もはやこれは、加藤ひさしの重要なテーマになっていることを。

彼が書く歌のテーマについては、これまでにも多くの指摘がされてきている。

たとえば、自分なりの生き方をしたいという意志と、それに対してのこの残酷な世界との接点を書いたもの。


世間との距離感や孤独を唄ったもの。


愛にあふれた歌たち。


今の自分からの、未来に対しての思い。


などなど、いろいろとあるわけだが。この一連に、10代、あるいは若さに対する思いを描いた作品も加えていいはずである。

しかもこうした歌には、ひとつの傾向がある。コレクターズの初期にはなかった曲たちなのだ。
そう、加藤が10代や若さについて書くようになったのは30代以降。つまり「…30…」から後に書かれたものばかりである。

それは納得がいくところがある。20代半ばにコレクターズを結成した頃の彼にとって、10代はまだ近い年齢で、若さに対してそこまで強い気持ちはなかったはず。しかし30代になり、いよいよ大人としての振る舞いを要求される段階になると、若かりし者たちへの憧れが徐々に増していったのではないだろうか。そしてこの事実は、とても加藤ひさしらしいように感じる。手に入れられないものへの強い感情ということで。
このテーマでは、僕自身も加藤に話を聞いたことがない。いつの日か聞かねばと思う次第だ。

【年齢のうた】でのコレクターズについては、ここでいったん幕引きとする。ただ、時を置いて、いずれまた書くかもしれない。


カミさんが大阪から買ってきてくれた
お持ち帰り通天閣というチョコレート、いちご味。
かわいくて、おいしかったよ

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青木 優
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