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「あなたの声が聴きたい」 作:♪YOU

僕は小さい頃に耳に異常な違和感を抱えていた。

それでも全く聞こえない訳ではなかった。

友達もたくさんいて楽しく話したり遊んだりしていた。

そんなある日、友達とボール遊びをしていた時そのボールが僕の顔半面に当たり右の耳から血が出ていた。

僕は意識が遠のいて気が付いたら病院にいた。

病院にはボール遊びをしていた友達と仲の良い友達が数人いた。

友達からは

「ごめんな。まさか顔にあんなに強く当たるなんて思ってなくて怪我させて本当にごめん・・・」

 本当に悔しそうに謝ってきた。

だから僕もそんな彼を許してあげた。

友達と話している間、僕の両親は担当の先生から話を聞いているようだった。

このまま何もしないでいると右耳は少しずつ聴力を失うと言われたらしい。

「じゃあ、僕は何をすればいいんだ!」

と叫びたかった。

両親が部屋に戻ってきて、色々と説明をしてくれた。

担当の先生も聴力が戻るよう尽力を尽くすと言ってくれた。

とりあえずは薬物治療が中心になると言われた。

その薬物治療の効果もそれほど効果が表れず、徐々に右耳は聞えなくなっていった。

それでも左耳がまだ聞こえるだけ幸せだった・・・

入院してから二週間後、僕は退院した。

右耳が聞こえないからとりあえず補聴器をつけて・・・

何年か経ち僕は高校3年になり進路に悩んでいた。

専門学校に行くか就職をするかで迷っていた。

そして僕は決心した!

右耳が聴こえなくなった事で聴覚の専門学校に行くことにした。

まだ左耳が聞こえると言っても大きな声で話してもらえないと聴こえないという現実に直面する。

僕は本当に悔しかった。

言葉をしゃべるのもうまくいかないから何か言われても無言になることが多い。

でもそんな自分が一番イヤなんだ。

だから聴覚だけじゃなく、言語もしっかり学べる専門学校を選んだ。

難しいのは分かってる。でも、一人でも僕みたいな人を減らしたいという気持ちが大きかった。

親も学校の先生にも説得して何とか頑張って専門学校を受験した。

その結果、奇跡の合格!!

本当にたくさんの協力がなければ受かることはなかっただろう。

そして今の僕にはかけがえのない彼女までできた。

専門学校を卒業した美人な先輩・・・

こんな美人な彼女ができるなんて想像もしていなかった。

話に聞けば、僕の頑張りを陰からそっと見守ってくれていたようで一緒に耳の不自由な人達を助け合っていこうと誓った。

僕の宝物がどんどん増えていく。

方耳が聞こえなくても不幸せなんてことはない。

どこで誰とどんな出会いをするかで幸せは決まる。

僕はそう思った。

これからも出会っていく人達を彼女と共に支え合って生きていく。

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