キーボードの問題・・・
前回の家庭、学校、友だち関係で見てきた「困ったこと」でしたが、一番大事な「本人」を忘れていた。
どうやら、たくさんあるようで、
・キーボードが打ち込めずに時間が遅れてしまう
・「できなくてもいいから」と言われ、ついて行けない・触る機会が減った
など、ネガティブさ満開ですが、良いこともあるようで、「友だちが教えてくれるからできて嬉しい」だそう。
では、今回はこの「本人の困ったことを減らすためにできるアイディアを考えていきたい。
●キーボードが打てない
そもそも「キーボードが打てる=ローマ字がわかる」と考えがちだけど、タイプライターなどの職業の方はひらがなで打つことも多いだろうと感じている。しかも、打つ回数も少なく、ローマ字打ちより早く文章が出来上がるのではないか。
しかし、どうしても「キーボードはこうやって打たないと・・・」「キーボード練習のソフトや本にはローマ字打ちが・・・」と本来の目的から離れているものも多いのではないかと感じている。
また、最近は音声入力からのテキスト入力ができる環境も整いつつある。過度にハンデキャップをもった方にもPCという機器を適切に活用するだけで、コミュニケーションが円滑にとれるようになってきた。
少し話が逸れたが、学校では子どもたちが「キーボードを打てるようになって欲しい」わけではなく、「キーボードのついているPCを使って、学習内容をより深めて欲しい」のではないか。
●「できなくてもいい」
「できなくてもいい」学習内容とは、なんだろうか。「150km/hの速球を投げる体育」現実的に考えて、大人ができないことを子どもに指導することはしないだろう。身につけなければいけない内容は、学習指導要領に示されているから特に気にすることではないと思う。
パソコンの指導には時間がかかる上、定着にも授業で取り上げる必要があるのではないか。そんな中で「できなくてもいい」より、「できる課題」から取り組ませるようなスモールステップの取り組みが必要だと思う。
様々な本を見ると、魅力的な実践が動画等で紹介されているが、「一抹のゴール」を示すなら、それにたどり着くための道順も示して欲しいと思う。
●触る機会が減った
「パソコンを触る」のではなく、「学習を深めるためにパソコンを使う」のだろうが、今まで使わなくても勉強していたのに、どうして使わなければいけないのだろう?
きっと苦手な子どもたちが感じるように、学校の先生たちも得意不得意な方たちがいると思う。今まで培ってきた経験や実績に「パソコンを使うとさらによくできる」と紹介されても、一朝一夕にはできないだろう。それよりも、例年取り組まれている内容を継続していく方が、見通しが持ててよいのではないか。
保護者の立場から見ると、「新しいものには触れて欲しい」「今までの指導もちゃんとやって欲しい」「もっと情報を発信して欲しい」と限りなく要求できそうな意見を出しそうになってしまうが、同じように先生たちも悩んでいるのではないか。
●本質を見失わず
「本人の困ったを減らすアイディア」と考えてみたが、結局は「何のためにするの?」と子どもとコミュニケーションをとっていくことが必要だと感じる。
使うのは子ども。考えるのも子ども。そして困るのも子ども。
大人はそのとき、手を差し伸べることよりも、見守っていくことが必要なのかなと思う。しかし、「見守る=放置」ではなく、適度な距離でコミュニケーションをとり、考えをまとめるために焦点化させていける声かけをしていくことが大事だと思う。
ICTというと、大人もなかなか足を踏み入れづらいところがあるけど、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。ご意見があったら教えてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?