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真実を見ていたかと問われた絵本

私が妊娠したのを機に親戚の叔母が毎月1冊の絵本を送ってくれるようになりました。

それがきっかけとなり、私は毎日子どもたちに好きな本を一冊ずつ読み聞かせするのが日課です。

今では読み聞かせというより、1ページずつ順番に読んだり、逆に読み聞かせてもらうこともあります。

上の子が小学校入学を機にフルタイムとなった私はそれまでよりうんと子どもと過ごす時間が減りましたが、この日課だけは未だ続いている9年目の習慣となっています。

おこだでませんように

今回、私が紹介するのはくすのきしげのりさん作「おこだでませんように」

主人公の男の子は学校でも家でもいつも怒られています。この子が楽しいと思ってやったことやいいと思ってやったことがやり過ぎてしまったり、その場にそぐわなかったり、気持ちが上手く伝えられず伝え方を間違ってしまったり…結果として怒られていました。

この子は自分が怒られることをしなければ笑顔のお母さんがいてくれる、褒めてくれる先生、仲良くしてくれるお友達がいるのだと分かっていました。

そんな思いをそれぞれに伝えるのではなく、ならったばかりのひらがなに気持ちをのせてたんざくのお願いにこめました。

「おこだでませんように」と…

子どもの本当の気持ちを教えてくれた本

私の子どもの一人はまさに主人公のような子。ただ友達になりたいだけなのに「遊ぼう」と声がかけられない。「寂しい」という思いが伝えられずいたずらをしてしまう…

私の子どもは、幼稚園から低学年の頃は友達関係が形成されるまで毎日のように電話がかかってきました。注意をしても繰り返す日々、毎日誤り続けても改善されない日々。私自身が何度泣いたか分かりません。

それはきっと私自身が根本である悩みや寂しさのサポートができていなかったからでしょう。しかし、その時の私はそんな余裕もなくそのことに気づいていませんでした。

毎日毎日起こったできごとを娘と振り返り、いけないことだよねと注意をして、迷惑をかけた家に謝罪する。

そんな毎日でした。

それを解決してくれたのは子どもたちの力です。そのうちに、お友達が我が子の特性をくみ取ってくれたり、兄弟が友達との間を取り持ってくれることで解決へと向かいました。

私がこの本と出会ったのはそんな時です。

私が見ていたことは物事の表面であり、子どもの感情や気持ちに目を向けられていなかったことを教えられました。

人の行動にはその時々に心があります。

その心に宿った思いをしっかりと受け止められるよう気づかせてくれた一冊です。

これは何も親子関係だけではありません。パートナー、会社、友人関係、人間関係全てに当てはまることでしょう。

そして最後に、主人公の男がみせてくれたように、ニコニコで抱きしめられた我が子の顔も印象深く記憶されています。

絵本は大人にも多くの気づきをくれる

冒頭にも書いたとおり、私が毎日読み聞かせを習慣としてきたのは子どもたちとのコミュニケーションツールとしてでした。

しかし、多くの絵本と触れ合う中で私自身が気づかせてもらうこと、私のほうが想像して楽しんでいることが多くあります。

ぜひみなさんも、秋の読書タイムに懐かしの絵本を手に取ってみませんか。



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