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USB PD充電器をACアダプタとして使う
以前書いた記事を最近の内容に合わせてコンパクトにリライトしたものです。
■はじめに
USB PD充電器は窒化ガリウム(GaN)によってサイズが小さくなり、今の65W充電器は昔の18W充電器くらいのサイズになっています。
価格もACアダプタ並の価格にまで下がってきて複数の電圧を引き出せる汎用的なACアダプタとしても使えるのでとても使いやすいです。
持ち運びにも良いし、常設のACアダプタとしてもサイズが半分以下と小さいので嵩張らないから重宝します。
ACアダプタとして使うにはトリガーコネクタというものを使います。(もしくはトリガー機能の付いたトリガーケーブル)
このトリガーコネクタで電圧が決まるので機器によってどれを使うか決まります。
ACアダプタで一般的な電圧は 9V / 12V / 15V / 20V あたりです。
5VのものはPD充電器を使わずに普通のUSB‐DC変換ケーブルで対応できます。
トリガーケーブルの電圧選択を間違ってしまうと機器が破損しますので気をつける必要があります。
ACアダプタとして使う場合は65W以上の充電器を選んでください。
65Wのものは大抵の電圧をカバーしています。
PD充電器で対応できない電圧をトリガーしてしまった場合、低い電圧が出てきたり想定外の動作をします。
仕様どおりに真面目に実装しているPD充電器は12V と 9V/15Vの実装が排他になってしまいます。
Ankerの一部の65W品(Anker Nano II)は真面目に実装しているので12Vが無いです。
中華系のPD充電器は真面目じゃないので9V / 12V / 15V が一つの充電器で使える場合がほとんどです。
モバイルバッテリーにも同じことが言えるので12V と 9V/15V は気をつけましょう。
■65W PD充電器
65W品はだいぶ値段がこなれてきたのか最近は2000円くらいで買えるようになってますね。
コスパがいい65W充電器で揃えておけば大は小を兼ねますからね。
中国の通販(PSEマークなし)だと1500円くらいで売ってたりします。
■100W PD充電器
中国の通販(PSEマークなし)だと2500円くらいで売ってたりします。
安すぎるのもありますが、レビュー見てると使えそうな感じもします(あんまり安いと耐久性は低そう・・・)
大は小を兼ねるがコスパとサイズを考えると65Wを主体にして必要に応じて100Wを購入したほうがいいと思います。
■トリガーケーブル
トリガーケーブルには汎用のトリガーケーブルと特殊な形状の専用品があります。
◆特殊系は注意
一部のノートPCのACアダプタは(DELLなど)専用の信号が出ている必要があるので使えないです(純正品以外ブロックする)。使おうとしてる機器が信号が出ているタイプか事前に調べておいたほうが良いです。
◆極性に注意(センターマイナス)
センターマイナスというプラスとマイナスの極性が逆転しているコネクタがあります。
ファミコンなどの昔のゲーム機に多いです。あとは音楽機材にも多いです。
トリガーが直接対応していなければ変換コネクタを使う必要があります。
◆9Vトリガー
9Vはレトロゲーム機などに多いと思います。
ファミコン、スーパーファミコン、メガドライブとか。
ただしレトロゲーム機はセンターマイナスです。
↓センターマイナスのトリガーケーブル
◆12Vトリガー
12Vの機材は多いのでよく使います。
ネットワーク機器、オーディオ機器など
◆15Vトリガー
◆20Vトリガー
19Vのものは20Vで代用出来る場合が多いです。
ノートパソコンや液晶ディスプレイなど大きいACアダプタが多い。
このあたりになってくると流す電流が大きくなるのでケーブルは変なのは使わないほうがいいです。
100W流すときは5Aなので対応していない細いケーブルだと燃えます。
アンペアが高いほどケーブルに気を使う必要があります。
◆レノボ専用トリガー
thinkpadなどのノートPCからthinkcentreなどのminiPCまで対応
◆パナソニック専用トリガー
◆ワット表示機能付きケーブル
トリガーコネクタと組み合わせると手軽に消費電力がわかります。
■5VUSB変換ケーブル
たんなるUSB-DC変換ケーブルです。
5V2A=10Wまで使えるようです。
■分岐ケーブル
同じ電圧を必要とする機器が複数ある場合、たとえば12Vを必要な機器が2つあった場合、分岐して2つの機材を一つのアダプタで給電するという手段もとれます。
スイッチングハブなどのネットワーク機器や中華アンプなどのオーディオ機材は12Vの場合が多いです。
そういったものは必要とする電力が12V1.5A=18W以下の機材が多いと思います。
それを二つ分岐して使っても36Wで65W充電器なら分岐して使っても問題ないと思います。
分岐する場合は流せる電圧は合計して3Aまでです。
分岐ケーブルは5.5 x 2.5サイズしか売ってないと思うので必要に応じで変換プラグで変換する必要がありますね。
■PD充電器の耐久性
前回記事を書いてから3年、実試用期間は4年経ってますが1500円で5個買った中華充電器があるのですがLGの4K27インチ液晶ディスプレイつなぐのに使ってたのが二年(24時間365日)で壊れたのが一つだけですね。モバイル用途で使うには一生壊れない気がしてきました。案外耐久性高い感じがしています。
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壊れて買い替えたのはフラッシュディール価格1300円のやつでこれも耐久性が気になる所。
世代が変わってもっと小さくなってるのでACアダプタと違って進化がすごいですね
(ACアダプタは何十年もあのサイズで一生小さくならないと思ってたので)
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■リンク
USB-PDについて要点だけ解説したまとめを作りました。