大会で2連覇しようとした際に考えたこと

先日「ブラボーコンテスト2023」という大会に参加して、その中のシングルプロップ部門で2位を取ったので、その振り返りとルーティンの解説でも。


参加の経緯

2連覇したかったから、ただそれだけ。
元々シングルの技術には絶対的な自信を持っており、シングルプロップ部門が開催されると分かったら「絶対に優勝する」という気持ちでいた。実際、去年の大会では優勝。
今年も同部門で優勝して「シングル最強」という称号を確固たるものにしたかった。
まあ、できなかったんですけどね。

ルーティンづくり

曲決め

というわけで目標を「2連覇する」に設定して、まずはルーティンの曲選びから始めた。
今回のルーティン曲に求める条件は以下の通り。

  • なるべく編集なしで2分半以内

  • テンポが速過ぎない

  • 「強い感じ」が出る

なお、一番最後の条件は「2連覇するんだから、曲だけでもボス感欲しいな〜」くらいのテンションだった。とりあえず曲のカテゴリを「EDMか音ゲーの曲」にして探す。ひたすら探す。

良いの発見。

曲調がゆったり目だけど力強く、「これはエグいルーティンが作れそうだ」と直感で判断。他にもいくつか候補があったけど、いずれもテンポが速すぎたり実際に動いてみてしっくりこなかったので、結局これ以外残らなかった。
あとFuture Bassでルーティン作ってみたかった
ここまでがだいたい5月頃の話。

動き決め

まずコンセプトを「去年と違うことを多くする」「去年と同じ部分は難易度を1段階上げる」の2つに設定。
曲をざっくり分けると「前奏→サビ→Aメロ→Bメロ→サビ→Cメロ→後奏」という分かりやすい構造なので、大まかな枠は速攻で決まった。ただし一部の細かい部分がなかなか決まらず、結構苦労した。
以下、各パートの解説。

  • 前奏
    以前、Devilstick Libraryを見ていたら「ソーのアンチスピンとバックスルー」という面白そうな系統があった。知見を広げたかったので練習を決意し、大体曲が決まったタイミングくらいで、それなりに人前でできるレベルまで安定。
    せっかくなので、クローバーと組み合わせた一連の動きにして採用。
    まさか審査員にその動画をアップした人が決まるとは当然知らず

  • サビ1
    一気に曲調が激しくなるので、なるべく派手な技がしたかった。
    7月のとある練習会で「リバースプロペラをターンしながら背面上げしてそのままコンタクトピルエットに繋ぐ」という悪魔的なアイディアを思いつく。やってみて(自分が)面白かったのでそのままルーティンに採用。ぶっちゃけ全パートで一番難しい
    また、前にやってたルーティンの動きを流用して、縦ストールに繋ぐまでの流れを取り入れた。

  • Aメロ
    とにかく音ハメとインパクトが欲しかったので、「面変換ピストン→直接フロントネックキャッチしてフィッシュ」「後方ストールから一旦回収し、ブリッジとロールの合わせ技に繋ぐ」というシークエンスになった。地味に、去年のラスト技をAメロの最後に持っていくという贅沢仕様。

  • Bメロ
    「曲がウォンウォン言ってるからヘリ方向の振り子とカールだろ」くらいのノリで組んだ。ここも去年と比較して難易度を上げるため、どら焼き(仮)を2連にして無理矢理音ハメしている。
    ちなみにジャイアントスイングの回転方向入れ替えは、練習会で適当に遊んでたら偶然発見した。

  • サビ2
    前半は静かなのでプロペラ以外何もしない。
    後半だが、「どうせ観客も審査員も目の肥えた人しかいないだろ」というノリだけで、超マニアックなバックサイド系のシークエンスをねじ込んだ。なお、元々手癖レベルでやり込んでいたので異常なレベルの最適化がなされていることに最近気付いた。

  • Cメロ
    自分はここのパートを「問題児」と呼んでいる
    「去年のルーティンで使ったボディロール系のシークエンス3種を全部繋げて1つの巨大なシークエンスにする」という非常に頭の悪いことをやった。なお、曲を聴いて最初に浮かんだ発想がこれ。要するにこのルーティン中で一番最初に決まった箇所である。

  • 後奏
    回収して終わり。

アイドリング?知らない子ですね……

本番

演技順はトリ。運営の作為を感じた。

「最初に演技した奴(去年2位)がノードロで演技を終える」「トリ」「2連覇が懸かっている」という、誰が経験しても緊張しかしないであろう状態の中迎えた本番の演技は……

結果

2ドロ1.5ミスで2位だった。流石にノードロには勝てん。

振り返り

まずルーティン全体の構成だが、図らずとも自分の強みである回転制御と手元系のバリエーションを多く用いたものになったので、非常にレベルの高いものになったのでは?と分析している。
十分に優勝狙えるルーティンだったのに2位だったことは、結果に納得はしているが流石に来るものがある。やはり今年もドロップが少ない人が優勝するゲームだったようだ。

おわりに

このクオリティを超えるルーティンを来年作ることはできそうもないし、技のストックもあまりないので、現状では来年のシングルプロップ(※あれば)への出場は一旦見送ろうかと思う。
また技ストック溜めて、面白そうなことができそうなら出てもいいかなー、くらいの気持ちでいるので、競技者を引退するわけではない、ということは言っておく。
というか後進が育たないと引退できない

次回、シニアブラ棒部門編
(※書くかどうかは未定)

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