ただ今冷戦中③
今日突然、意を決したように夫が話しかけてきた。
「一応報告なんですけど、63歳からこれだけの年金がもらえるそうです。」
とハガキを見せてきた、
「誕生日が過ぎたら手続きに行ってきます。」
「了解しました。」と私
私としては口をきかない生活にはまだまだ耐えられそうだけど、夫にとっては限界だな。少し緩めてやるか。
今月誕生日を迎えると、夫は63歳になる。
私は夫の誕生日どうしたものかと思案していた。今の時期外食は出来ないし、手をかけた料理を作るのも癪に触るし、かといって完全スルーは可哀想だし。
この私の可哀想という気持ちが厄介なのだ、どこまでも冷酷になれてしまえば楽なのになと思う。
私には夫に対して多少の負い目を感じている。
夫は長男なのだが、今は私の実家の敷地内に家を建てて住んでいる。
私の親とも仲良くやってくれているし、おかげで私はずいぶん楽もさせてもらったし、親孝行もできた。
そこには感謝している
私がもう少し大人になってヨイショして褒めてあげれば良いのだろうということも分かっている、
だけど夫もそうだけど、私も嘘が付けない性分なのだ。
えー…この完成度でも褒めなきゃいけないの?
と思ってしまう。
そして夫はタチの悪いことに、自分ではフェミニストだと思っているが、無自覚に男尊女卑なところがあるのだ。
しかもちょくちょく考える前に思ったことをすぐ口にする。
(今日も大さじ山盛り2杯の砂糖を入れたコーヒーを飲みながら、しきりに「血糖値上がる!血糖値上がる!」と、聞こえよがしにつぶやいていた。そりゃ上がるだろ。)
そしてそれを受け流せない私がいる。
多分この先も私のイライラが無くなることはないだろうが、とりあえずお誕生日が終わるまで休戦してあげることにする。
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