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グッドパッチ社員同士で往復書簡してみた<前編>

はじめにーー社内で往復書簡ってなんやねん


はじめまして。グッドパッチでコピーライター/プランナーをしている豊田(通称、よた)です。

今回は、グッドパッチ毎年恒例のアドベントカレンダーに参加することになりました。今日は、12月8日(日)ですね。きっと今年もまた、あっという間に年が明けるのでしょうね。

記事を書くにあたって、どんな内容にするべきか考えあぐねていたある日、次の日を担当する高階さん(通称、しなさん)も書く内容に悩まれていることを知りました。そこで、ためしに一つアイデアを投げてみることに。

それが、タイトルにもある「往復書簡」です。

ところが実は、しなさんとはこの企画が実質「はじめまして」状態。入社以来、プロジェクトや部署をご一緒しておらず、それどころかきちんとお話ししたことすらありませんでした。1on1、Slack、社員総会などなど、たくさんチャンスはあるにも関わらず、です。それなのに、私からとつぜん「往復書簡しませんかね?」と無邪気にお願いをしちゃいました。誠に勝手極まりないです。

というわけで、これを機に「しなさんに聞いてみたかった質問をいっそ全部ぶつけてみちゃおう!」というのが、この往復書簡の魂胆です。

前編となる今回は、私がしなさんからいただいた質問に答えていきます。


しなさんからの質問に答えてみる


  • これまで書いてきたコピーで、一番気に入っているものは?

今期の社員総会で発表された「Drive 180°」は、個人的に気に入っています。180°には「逆転」という意味のほかに、一人ひとりが視点や行動の角度を変えてみるのはどう?といった意味も込めました。

また、詳細は書けないのですが、組織ブランディング案件でとある部署のミッションを書きました。50名ほどの立場が異なるメンバーの皆さんの声を拾いながら何度もコピーを書き直し、最終的にお客様が感動して泣いてくださいました。積み重ねてきたプロセスもあわせて、お気に入りの思い出です。

  • Ctrlxのコピーが大好きです(あなたが、あなたの〜のやつ)。あの文章を書くときに考えていたことや、思考のプロセスを少しだけ知りたいです。

”あなたが、あなたの時間を生きるように。
私も、私の時間を生きている。
誰もが自分の喜びや悲しみを、その表情を
毎分毎秒、その目元に宿している。
つまり、がんばって生きている。ってことだ。

私たちのめまぐるしい毎日を映す目元を
ケアする時間をちょっとでも楽に。
キーボードのショートカットキーみたいに
さっと整えて、あなたに似合う、
がんばりすぎない目元ケアを。“

https://ctrlx.jp/

なんと。ありがとうございます……!
とても嬉しいです。

このブランドストーリーは、グッドパッチの有志メンバーでmsh株式会社さんに提案した、コスメの共同開発プロジェクトのものです。目元ケアのコンシーラー&アイバームの新規ブランド開発を担当したのですが、共同開発ということもあり、普段のクライアントワークに比べてより濃く自分の想いを込めさせていただきました。

書いた当時は、自分自身、少し気を張って生活しているタイミングでした。いくら自分なりに頑張っても、精神的な緊張感や焦りがずっと拭えず、正直メイクどころじゃない気分の日もある。それでも、毎日頑張り続けないといけない。でも、大切な友達を心配させたくない。そんな時に「キレイになりましょう」「自己肯定感を高めましょう」と言われても、それどころじゃないよ〜、という気持ちがありました。

そこで「普通に生きているだけで私たちは頑張っているんだから、メイクくらいはいいんじゃない?」という想いをまとめたのが、このストーリーです。

  • 憧れているとか、尊敬しているみたいなコピーライターがいれば教えて欲しいです。

サン・アドの岩崎亜矢さんと、電通の三島邦彦さんです。

前職で私は、一度コピーライターを離れ、某書店のイベントを企画・運営していました。そこで、最終出勤日に担当したのが偶然お二人を迎えたコピーライターさんの鼎談だったんです。

普段は登壇者さんに私語をはさまないのですが、最後ということもありご挨拶も兼ねて「実は転職してコピーライターに再挑戦します」とお話ししたところ、お二人ともいたく励ましてくださいました。

私がちょうどCtrlxを開発しているとき、岩崎さんがブランドディレクションをされたヘアケアブランド「DEMI DO」のニュースを見て、本当に背中を押されました。GINZA SIXのネーミングも、その言葉の強度や凄みをさらに噛み締めています。

また、三島さんのコピーはどれも本当に素敵ですが、特にNetflixの「再生のはじまり」が大好きです。書籍『言葉からの自由』も本棚から出してデスクに置き、お守りにしています。

お二人のようなコピーを生み出せるように、これからも頑張っていきたい所存です。ずっと、憧れです。

  • よたちゃんの仕事を見ていると、言葉を書くだけではないとお見受けしています。普段どんなことをしているのですか?

たしかに(笑)自分の仕事は社内でも「何をされてる方なん?」となりそうです。

基本的にはブランド領域を軸として、体験設計の過程を伴走させていただいています。ヒアリングやワークショップを通じて、落とし所に言葉を使ったアウトプットを出す、という流れです。

自分自身はあまり仕事に境界線を設けず、とりあえずやってみようという気持ちがあり、時には戦略を考えたりもしています。あたらしいことは、面白いです。

  • 何ができればコピーライターを名乗れると思いますか?僕もコンセプトメイキングをするときなどにコピーを書くことがあるのですが、名乗るにはまだまだだな?と感じており。

今回いちばん難しい質問かもしれません(笑)。
何か確実な称号や資格がある仕事ではないと思っています。だからむしろ、コピーライターを名乗ってから、いろいろな経験をしている感覚に近いかもしれません。

強いていうなら、自分の言葉だけがコピーではないと思っています。あくまで私の仕事はプロジェクトメンバーが発した、まとまりきらないほどの想いを整理していくような感覚に近いです。

そのため、例えば必ずしも私が考えたネーミングに決まらなかったとしても、提案をヒントとしてお客様自身が「これだ」と確信できる名前がつけられた時は嬉しさを実感します。

果たしてこれは、答えになっているのでしょうか。

  • 今年からTransformationのチームになったかと思います。何か自身の仕事で変わったことはありました?

いい意味で、入社時から変わらずに仕事できています。
ただ、ビジネス的な目線をより濃く意識するようになりました。言葉のクオリティを最大化しつつ、その後アウトプットがお客様にとってどのような影響を与えるか?などもあわせて考え、提案していくことの必要性を、日々実感しています。

  • よたちゃんにとって「ことば」とは?

漫画『HUNTER×HUNTER』の念能力で、操作系ってあるじゃないですか。私にとっては、それに近い操作の対象という感じです。決して自由自在なわけではなく、自分自身のエネルギー不足や未熟さなどのせいで、思うように操作が効かなくなったりして、いつも難しくて面白いです。早くハンター試験に合格したいです。

  • 都内近郊で、忘れられない一皿を教えてください。

東長崎駅のイタリアンレストラン「Cadota」さんのフライドポテトです。

イタリアンですが、まずはフライドポテトを。店主の新井さんのこだわり抜かれた調理で、食べた瞬間、さくほろ、とろりの幸せが訪れます。雰囲気もアットホームで、近所に住みたいなと思ってしまうくらいです。


  • 今年よかった音楽を、アーティストかアルバム単位で3つ教えてください。

①HYUKOH・落日飛車「AAA」
韓国のHYUKOHは、多分いちばん好きなバンドです。彼らと台湾の落日飛車がユニットを組んで新しいアルバムを出してくれて、今年はこちらが心の安定剤でした。

②JPEGMAFIA「I LAY DOWN MY LIFE FOR YOU」
USのラッパーのアルバムです。とにかくビートがかっこよくて選びました。音の情報量が多くて、何周聞いてもかっこいい以外よく分からないところがお気に入りです。

③Kehlani「While We Wait 2」
KID FRESINOの「Arcades feat.NENE」のリリックにも登場する、だいすきなR&Bシンガーです。姿も声もキュートだし、今回のアルバムは思いきりゼロ年代ポップミュージックのコテコテ感を持ち込んでいるのも、最高です。

  • 来年はどんな一年にしたいですか?

私ごとながら、今年30歳になります。30代はめっちゃ楽しいと各所で教えてもらっているため、楽しい瞬間をたくさん過ごしたいと思います!


おわりにーー往復書簡をやってみた感想


いかがだったでしょうか。

テキストコミュニケーションがいちばんお話ししやすい自分にとっては、お返事を書くのがとても楽しい時間でした。

しなさんへ。
突然、はじめてのダイレクトチャットで長文の依頼を送ったうえ、断る余地のない誘い方をしたにも関わらず、快諾していただきありがとうございました。これからはちゃんと面と向かって話しかけていきます。よろしくお願いします。

往復書簡の後編はこちら。後編は、私からしなさんに向けた質問に答えていただいています。おたのしみに!

Special Thanks!

Cover Art by: Yasuyuki Nakabayashi


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