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3月14日(2015)ハートを撃ち抜かれたゴール
あの日のわたしたち 〜浦和レッズ30年〜
2015年3月14日。
Jリーグホーム開幕戦。
10日前ACLの試合後サポーターに勝利を誓ったキャプテン阿部勇樹。チームは平塚での開幕戦でその約束を果たし、ホームに帰って来た。相手は前年夏浦和から移籍した山岸範宏の神がかり的な活躍もあり、J1昇格を果たした山形。
浦和は前半から押し気味に試合をすすめたが、なかなか「山の神」の守るゴールをこじ開けられず、0-0のまま迎えた83分。森脇からの右からのクロスをこの年加入した武藤雄樹が競り、阿部勇樹の前にこぼれた。一瞬時間が止まったような気がした。
そのボールを右足で一閃!この時の感覚は今でも胸に残っている。ゴール裏で見ていた自分にとって、ハートを撃ち抜かれたようなスーパーゴールだった。胸のエンブレムにあてた手をぎゅっと握りしめながら走ってくる姿。大歓声に包まれるスタジアム。美しい映画のワンシーンのようだった。
ヒーローインタビューのあべちゃんは、いつもの優しい表情に戻っていた。試合後挨拶に来たギシさんにも温かい拍手が送られる。10日前の殺伐としたゴール裏とは全く違う春の穏やかな光景がそこにあった。
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