建築しか見ない旅 ニューヘイブン編
コロナで外出自粛??
こんな時こそ、旅行記を書くのがよし。
7泊8日のアメリカ新婚旅行。
マンハッタンを3日楽しんだところで、少し空気を変えてみることにした。
ニューヘイブン。
ワシントンやボストンという王道を断念してでも断固行くと決めてたニューヘイブン。
コルビュジェは、ロンシャンもラトゥーレットもサヴォア邸も見たことあるし、
ミースは、マンハッタンに今回来る前には大学生のころ、バルセロナパビリオンを抑えてある。
ライトは明日館もだけど明治村までは行っておる。
アアルトもフィンランディアホール筆頭に一通り見てる。
近代建築の巨匠。あとはカーンをのこすのみ。
ついにルイスカーンと初対面だ。
ニューヘイブン最大の目的はブリティッシュアートミュージアム。
大学院の時の石山修武先生の授業で、石山先生の三大マスターピースの中の1つとして取り上げられていた。
1つの建築の話で90分の授業。めちゃめちゃ面白かった。
今回の記事のために当時のノートを掘り起こして見た。
なぜブリティッシュアートミュージアムが彼のマスターピースなのかということ。
8時くらいに宿を出て、徒歩5分程度でグランドセントラル駅。
やはりマンハッタンに泊まる際は何処へ行くにも便利なミッドタウン付近がオススメだ。
物価ものすっごい高いけど。
グランドセントラル駅で鈍行の切符を買うのに一苦労。
クレジットカードで買おうと試みるもzipコード入力というのが何を入れればいいのか分からず、結局キャッシュ。
なんか日本でいう暗証番号的なもので、郵便番号を入れるらしい。
日本の郵便番号はケタ数が違うから適当に00000って5桁いれればどうにかなるらしい。
地下に潜って106番線から出発。
30分に一本電車はあって、2時間ほどで着く。
今回唯一の電車での遠出だったのでテンション上がってた。
車内では嫁さんと「なぜ旅行をするのか」というテーマで雑談が盛り上がった。
最大の目的は感動するため、となった。
こんだけおじさんにもなって来ると、中々「価値観変わる」なんてことは起きづらく、変わるとまでは行かないまでも価値観を更新していくのが旅行の大きな意味かなと思う。
価値観を更新するにはやっぱり感動することが手っ取り早いと思うんだよな。
仕事や日常生活で震えるほど感動したって中々無いから、今後自分がどうしたいか、とか含めて、何に感動するか、旅行を通じて再認識できるように思う。
完全に話が逸れた。
そんなこんなでニューヘイブンに着く。
(Union stationではないので注意)
ニューヘイブンの駅からブリティッシュアートミュージアムまでは学生用のキャンパスバスが無料で出てる。
え、これが学生?っていうモンスターみたいなおデブちゃんが沢山いた。
ブリティッシュアートミュージアム着。
外観からのエントランスは一層のピロティで、密やかな設えだ。
中に入るとすぐに4層吹き抜けのスクエア平面の大きな空間が広がる。
真昼だったが、外よりも明るく、外よりも澄んでいる。明るさに満ちているように感じた。
石山先生の日記に下記のような文が。
"ニューヘヴンの空は淡く澄んでいる。地中海の光のエロスとは全く異なる。その光を人工的に濃度の高い、しかも濁りのない光に昇華しようとしたところに、ルイス・カーンの努力の中心がある"
ビカッっていう感じじゃなく、ファアアっていうような、空間の隅々まで浸透していく感じ。
濃度が高いというのがピンとくる。
ファアっとしてるんだけど軽くない。凝縮された光に感じた。
人工的に、と石山先生は意図的に書いているけど、人工的な光とは感じさせないことの努力がその最たるものなのではなかろうか。
びっちびちなシビアな目地、ライン、細かい凹凸に目がいく。ディテールをスケッチ。
そしてここで鬼の土砂降りが襲う。
この日NYでは地下鉄に雨水が入り込み大変なことになっていたらしい。
ブリティッシュアートミュージアムの対面にはカーンの初期の美術館があるからお忘れなく。
その後shake shackを頬張り、(安いのにウマイ!!)
バイネッケアンドレアブック図書館へ。
SOM。
BOX in BOXの超明快な構成。
その構成は、透ける大理石のBOXを4本の象徴的な柱で浮かし、内部に一切の柱梁を排除した事によって強調されている。
この日は雨だったので、透けて光が差し込むような感覚は味わえなかったが、重厚な石のテクスチャに、曇り空特有のわずかな拡散光が揺らいで映り込む表情が見られた時、うおーってなった。
今回は触れられていないが、ニューヘイブンは、その他にもポール・ルドルフのルドルフホールや、サーリネンのホッケー場もあるのでかなり建築オモロー街だ。
しかし新婚旅行感はそこにはない。
いじょ
次回マンハッタンパート2。
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