建築しか見ない旅 ヨーロッパ視察編1
「建築しか見ない旅」シリーズもこれで記念すべき10記事目。
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コロナでどこにも行けないので絶賛振り返り期間中です。
今回は2年前の10月、
「会社で行ったヨーロッパ視察旅行」
についての記事を書きたいと思う。
「え、会社でヨーロッパ行けるの!?」
という声が飛び交いまくりだろうけど、そうなんです、行けたんです。
しかし僕みたいな若手(当時4年目)が行けるなんて、そうおいしいこと、めったにないです。
しかしチームマネージャーの意向で若手こそ行きなさいというスーパーナウい思想のもと、何とかメンバーに混ぜてもらったのである。
なので、しっかりまとめていかなければ。
視察の趣旨は世界の放送局・音楽ホール。
しかしそれだけではなく、とにかく名建築を見倒すというのが最大のミッションだ。
今回の旅程↓
ストックホルムでトランジットーコペンハーゲンーアムステルダムーヒルヴェルスムーロンドンーマンチェスターーベルリンーハンブルグを8泊9日...
ちょっと待った鬼の弾丸...8泊9日で5か国9都市...
割とストイックに建築見る旅はしてきているけど、ここまで国をまたいでの弾丸はさすがに経験した事がない。
そりゃそうか、これは旅行ではない、視察だ。仕事なのだ。
今回のヨーロッパ視察で巡った建築リスト
ストックホルムーコペンハーゲン(2泊3日)
ヴァンター空港
カストルプ空港
admiral hotel
ニューハウン
デンマーク王立プレイハウス
デンマーク王立オペラハウス
コペンハーゲン中央駅
ルイジアナ美術館
海洋博物館(BIG)
ブラックダイアモンド
IT大学学生寮
IT大学キャンパスセンター
BLOX
デンマーク国立銀行
Danish RADIO segment1-2
Danish RADIO segment3
DRコンサートホール
8house
ヒルヴェルスムーアムステルダム(1泊2日)
ヒルフェルスム市庁舎
NTR 本社ビル
オランダ視聴覚センター
ノルダーベグラフの火葬場
ヒルフェルスムオフィス
アムステルダム中央駅
アイフィルムミュージアム
ベルラーヘ
ヴァンゴッホミュージアム
オランダ市立美術館
コンセルトヘボウ
スキポール空港
ロンドンーマンチェスター(2泊3日)
ロンドンシティ空港
ロンドンシティホール
SHAPARD Robson 事務所
BBC WEST
テートモダン
テートモダン新館
ブルームバーグ本社
ニューポートギャラリー
BBC NORTH
ロンドンヒースロー空港
ベルリンーハンブルグ(2泊3日、1泊2日)
ベルリン大聖堂
アルテスミュージアム
ベルリン国立博物館
新博物館
ノイエバッフェ
フンボルト大学図書館
ベルリンユダヤ博物館
ベルリン州立図書館
虐殺されたユダヤ人のための記念碑
ブランデンブルク門
ポツダム広場
ベルリンフィルハーモニー
ARD本社
国会議事堂(中入れず)
メルケルのやーつ
ベルリン中央駅
エルプフィルハーモニー
全57建築!!!!
ちょっと記事が何編になるかわからないけど、順次まとめていこうと思う。
初日、ストックホルムーコペンハーゲン
成田からヘルシンキのヴァンター空港を経てコペンハーゲンのカストルプ空港へ。トランジット3時間半、全15時間ほどの移動。
この日最も驚いたのは成田空港のイケて無さ。空港とは思えないトイレの狭さ、エクスパンションジョイントの段差、市街地からの圧倒的遠さ。羽田とは比べものにならない。
ヴァンターもカストルプも実は2年連続となる。
去年のお盆に弾丸一人旅をかましているからだ。
まさか、人生の中で2年連続でコペンハーゲンに舞い降りるとは。。
ヴァンターに着き、市街地へ。メトロで15分ほど。イケてるわぁ。
成田はオワリ。
ホテルはニューハウンの近く。去年はコペンハーゲン中央駅付近に宿を構えたが、どれだけ愚かだったか今回理解した。1人だったから激安で済ませたというのはあるけど。
今回のお宿は圧倒的リバービュー。プレイハウスとオペラハウスが目の前に広がる。admiral hotelだ。
6階建ての木造建築で、今回の部屋はその最上階のロフト付きの部屋。しかも河側だった。やはり、、、会社で来られるとちゃいまんなぁ。。。
部屋からの朝焼けは最高だった。「長閑」そのものが形になりました状態。
気温はというと、今回は10月だったので、日本よりカラッとしてるから過ごしやすく、旅行するには最高の時期だろうと思う。
あともう少し過ぎると寒くてたまらなくなるが、ジャケット一枚羽織って巡れる、ベストシーズンだろうと思う。
ニューハウンで夕飯をキメる。デンマーク料理と書いてあるが、食べてみても何がデンマーク料理か一向に分からなかった。
2日目
朝一、時差ボケと初日のハイテンションで散歩に出かける。
ジモティの日曜日の朝は遅い。観光客のいないニューハウンを闊歩した。
広辞苑で長閑と調べてみたらこの風景が乗っていると言っても過言でない。
この日は朝一でデンマーク王立オペラハウスのガイドツアーに参加。
毎週ツアーをやっていて、バックエリアからフライタワーまでがっつり見せてくれる。200DKK(4000円程度)だから決して安くはないが。
ヘニング・ラーセン設計なのだが、ツアーの説明によると、オーナーの要望とラーセンの方針が中々噛み合わず、ラーセンは実施設計後半でやめちゃる!つって居なくなったらしい。
何となくそれを伺わせる感じはある。
河を挟んだ対岸にいわゆる王宮があり、シンメトリーの王宮の中心軸上にこのホールが配置されている。
その王宮に対しての抜けが一番の価値なのだが、ラーセンがガラスのみでやりたかったところ、オーナーが鉄を使え!と断固ったらしい。
ホワイエ内部から外を見ると、あり得ないくらい王宮が遮られてしまう。
しかもそのサッシが太くてバキバキしててかっちょ悪い。
とまぁ色々あったが、大庇の外部空間、ブリッジのホワイエ、ホール客席へと大きな軸線上に構成される基本計画の強さは壮観である。
特に五層吹き抜けのホワイエの各レベルから、赤茶練付木のフィニッシュのホールのヴォリュームへ接続する構成が中々無いように思う。これは使えそう。
舞台はまさかの6面式。メインステージにサイドステージ、そしてその各々にバックステージがある。まず日本では考えられない、オペラ専門とも言える形式。
舞台背景を次々と変えられることがすなわち演目の可能性を広げるオペラにとって、6面式による効果は絶大だ。
コペンハーゲンではオペラがよく嗜まれていて、このようなオペラ特化とも言えるホールが重宝されるようだ。
英語のガイドツアーで中々聞き取れなかったが、ステージ上部に可動の鉄骨が走っていたので、その鉄骨からセットを吊って前後へのセット移動をするようだ。
客席へ。オーケスラピット込みで2300席。
しかし2300席とは思えない舞台との圧倒的近さ。なんだこれ!
とよくよく客席を見てみると、1階席に縦通路が無い。ええ!?これはびっくり。
真ん中の人トイレ行きづらっ!
そして4階席まであるので中々積んである。
とにかく舞台との距離を近くして縦に積んだという解答。
河を渡って対岸には王立のオペラハウスがもう一つ。
素材や形は変わるが、河へ競り出そうとするキャンチのデザインは同じ。
川に対して風景を作る。
午後は中央駅からルイジアナ美術館へ。
コペンハーゲン中央駅もとても綺麗。
信じ難いのだけど、無垢の木によるアーチの空間らしく、100年ほどもうこの姿を保っているそう。
超大空間。軽やかさの中に重厚感がある。下部は煉瓦。また売店はガラスボックスで構成されてて、まさに入り混じったターミナル。
ディテールも美しい。
さて、ここからルイジアナ美術館は電車で30分、&徒歩20分ってとこ。
まさか人生において2年連続でルイジアナ美術館に行くことがあろうとは。
駅着いて、美術館までの道のりはこんな感じ。
世界一美しい美術館という触れ込みがハードル上げすぎで、いや、とっても綺麗なんだけど、人がいすぎるんだよな…
せっかく長閑な街並みの中にたたずむとてもいい建物何だけど、いかんせん…騒がしい。。
東京でもあるじゃない。せっかく行ったけど中国人めちゃくちゃ居て萎える、みたいな。
レストランなんて土日のイオンのフードコート。
このジャコメッティの空間なんて、10分くらい待ってなんとか誰もいなくなった瞬間をパシャってる。
しかし展示・インスタレーションはやっぱ圧巻というか楽しいなぁ。
去年は行けなかったのだが、今年はルイジアナ美術館のもうちょっと奥にある、ヘルシンガーの海洋博物館へ行けた。
BIG設計の、既存の造船ドックをリノベ、増築してシークエンスを作ったもの。
しかしスロープや階段で繋がっていく空間の様子は、シカゴのイリノイ工科大学、マクコーマックトリビューンキャンパスセンター(OMA)を超えてこない感じ。
美術館とキャンパスの違いによるとこか。
この日も中央駅にもどってニューハウン付近でデンマーク料理。
デンマーク料理ってなんだろう。
さて2日目まで終了。
次回はコペンハーゲン後半戦とオランダ編。
いじょ。