建築しか見ない旅 ヘルシンキ編
学生の時もっと旅行行っておけばよかったぁー
なんてうんこみたいなセリフ、誰でも言うが、やはりその通りだなぁ。
学生時代行きそびれていた北欧。
やっぱどうしても行きたくなった。
中々会社で設計業務をやっているだけだと、カッコいい!!とかいう感動と直面出来ることってなかなか無い。
考えてから、図面描いてから、実際に出来るまでにはながーーい時間があるからなぁ。
やっぱり感動してナンボの建築。
新鮮な気持になりたくて旅行いこーってなった。
計画はいつも急なので、もちろん1人だ。
5泊6日でヘルシンキ・ストックホルム・コペンハーゲンをめぐる弾丸ぷり。
フランクフルト経由でヘルシンキに向かう。
ヘルシンキ着いて1発目
ミュールマキ教会。ユハ・レイヴィスカ設計。
vantaa駅すぐに立っており、電車から煉瓦の壁面が臨める。
空港からヘルシンキに向かう途中にvantaa駅はあるから、すぐさま向かうことにした。
通常予約もなにも必要なく見学出来る。
しかしこの日は結婚式が執り行われるらしく、「あと30分なら見てもよいよ」と言われた。あっぶね、超ラッキー。
建物の作り方は、池原義郎先生の早稲田の所沢キャンパスに似てるなぁとふと思った。
動線に対して直角に、層状に構成される壁面。また斜面下側から森を抜けてアプローチし、斜面上側にスケールの小さくなったエントランスがある構成は、池原先生、所沢で模倣したなと思った。
なんかの飲み会で入江先生が、池原先生はレイヴィスカがすごい好きだったって言ってたような。
空間に入る。
とーーーーっても綺麗。
外壁はダブルスキンになっており、サッシの割り付けが外側と内側で異なる。
歩を進める度に光の抜けが変わる。
その垂直方向の抜けが、壁なのか、壁柱なのか、梁なのか、天井なのかと、建物を創るフレームを絶妙なバランスで溶かしているのが面白かった。
吊られた照明の繊細さと力強くトップライトへ伸びるパイプオルガン。家具も一体となって空間を創っている。
光が重力を支えているように見えた瞬間があった。
ミュールマキの近くのバス停からアアルト自邸へ向かった。
Googlemapの便利さが異常だ。
日本も、海外ももはや関係無い。
便利という反面、なにか冒険しているようなハラハラが薄れた感じもする。
まぁ便利だから使うけど。
16時のツアー最終号にスレスレ間に合った。ワンミスが命取りになるスケジュール。
弾丸ツアーのためヘルシンキは一泊のみ。
もう一泊出来ればユバスキュラに行けたのだが。
アアルト自邸。
スケール感が絶妙に感じる。
特にアアルトの自席のある部屋の天高は中々ない大きさに感じる。
やっぱ働く空間にあれだけの高さがあると豊かだなぁ。
あと何より受付に日本人がいる事にスタンディングオベーションだった。
自邸だけスレスレで見られたので、アトリエの方は翌日朝一からの見学となった。
ここもまた空間のスケールが絶妙にいい。アルテックの重心の低い家具がまたそれを引き立てる。
メインのグニーンと曲げられた壁面のある空間だが、実は道路側の壁面も微妙にRしてるらしい。
入って見て感じた不思議な遠近感はそれによっているかもしれない。
そして内部の壁仕上げは、なんと段ボールだそう。自分のアトリエにバンバン実験的素材をぶち込んでたとのこと。
この日のこのツアーだけ、日本人がかなりたくさんいたので、日本語の特別ツアーを組んでくれた。そうでなければ段ボールなどとヒアリング出来るわけがない。
ヘルシンキ市街地に戻り、ハイスピードに現代美術館、フィンランディアホール、その横のオペラハウス、カンピ教会、カフェアアルトを次々に葬っていく。
アカデミア書店 Aalto
カンピ教会
キアズマは大学生の時にドローイング見た時からずっと好きだった。
スロープの明るい空間と展示空間の暗い空間がいろんなシーンを作って楽しい。
けどなんだろう、、ドローイングを超えてこない感じ。
だからスティーブン・ホールと同じようなドローイングを描く。
フィンランディアホールは痛恨の休館日。
どこからか入ったろかと躍起になったが、何度か問題になったこともあったのでここは冷静に。
なので内部は入れなかったけど、立入禁止バー程度で区画されたところは平気で超えていった。
やはりこの人はスケール感の鬼神だ。
これだけフットプリントの大きい建物なのに、長い水平線を基壇に構えて、白と黒のボリュームで横スリット状に分節。ホールの大きなボリュームはしっかり存在感を作りながら、縦に分節。人のスケールにしっくりくるようにバッチリ設計されてるなぁと感じた。
石の割り方、柱のディテール。
一発間違えるとコッテリディテールになって胃もたれしちゃうな、みたいになるんだけど、どんどん引き込まれていく。
くそぅ、中に入れないとは。。
駆け足で石の教会へ。外観としては地形の中にヴォリュームが埋まっていて、本当に岩そのもの、みたいな。
石の壁にPCのルーバーが360度ぐるりと囲い込み、トップライトを作る。日の光によって空間がめまぐるしく変わる。
朝と夕方で全然印象違うんだろうな。残念なのは、中国人の観光客がめっちゃくちゃたくさんいて、クソうるさかったこと。多分日常茶飯事になってしまっていて、「Silence!! シー!!!」という放送が5分おき位に流れていて、全然静かじゃなかった。
圧巻の空間なのだけど、中の雰囲気がそれに見合ったものとして運営されていないことにチョットがっくり。
そんなこんなでもうヘルシンキを出ないといけない時間に。
ヘルシンキのターミナルからフェリーでストックホルムへ向かう。
飛行機代とホテル代を加味して、寝てる時間で移動できると考えると最も良い手段かなと思う。
けれど16時くらいには搭乗せねばならない。
ちょっとヘルシンキを見切れない感じはある。
ヘルシンキで見たのは
ミュールマキ教会
アアルト自邸
フィンランディアホール
音楽センター
アアルトスタジオ
テンペリアウキオ教会
キアズマ
アカデミア書店
カンピ教会
計9コ。
ユバスキュラのアアルトマスターピース群も見たかったし、トゥルクの復活礼拝堂もめちゃ見たかったのだけど、ストックホルムとコペンハーゲンを巡ることを優先してしまった。
フェリーの中は、バーあり、ダンスホールあり、プールありとアホみたいに楽しい雰囲気であるのだが、1人の僕はなんもする気になれず、ただ部屋でスケッチしてストイック感をアピールしていた(誰に)
次はストックホルム。
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