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建築しか見ない旅 ニューヨーク編

眠い。眠すぎる。
今はPM8:00。
NYと日本の時差は約12時間。
まんまと逆なのだ。

新婚旅行に行く前だったらそんなのはあり得なかった。
残業的にはここから上げてくゼェ!という時間帯だ。
しかし、お友達とはしゃぎすぎたガキンチョのごとく眠い。

なんとなーく眠いって感じじゃなく、重く眠い。
徹夜しきったぜ!って朝7:00を迎えて一度眠気が覚めた後に来る眠気の如く重みだ。
こいつは中々キツイ。
もうしばらく前から新婚旅行はNYと決めていた。
とりあえずひと通りヨーロッパは行ったかな、というのもあったし、なんとなーくハッピーな感じ漂ってる気がしたから。(アホみたいな理由)

7泊8日でNY、ニューヘイブン、シカゴを回った。
NY5泊、シカゴ2泊。
ニューヘイブンはNYから特急で行ったから日帰りにて。
とてもいいバランスだったと思う。

というわけで建築しか見ない旅、新婚旅行編まずはNYだ。

新婚旅行として言ってるので流石にこればっかりは建築しか見てないわけなく、いつもと違い、食事やレジャーも楽しみました。笑

NYでは計32の建築を見た。

1.TWA ターミナル5
2.シーグラムビル
3.MOMA
4.レバーハウス
5.メトロポリタン美術館
6.グッゲンハイム美術館
7.クロイスター美術館
8.クライスラービル
9.エンパイアステートビル
10.ロックフェラーセンター
11.セントラルパーク
12.コロンビア大学教育センター
13.フォード財団ビル
14.国際連合ビル
15.ハイライン
16.ホイットニー美術館
17.チェルシーマーケット
18.IAC
19.グランドセントラル駅
25.グランゼロ駅 オキュラス
26.グランドゼロ
27. WTC1
28. WTC4
29.自由の女神像
30.ニューミュージアム
31.ストアフロントアートアンドアーキテクチャ
32.リンカーンセンター
33.デービッドゲッフェンホール
34.デービッドコークホール
35.ピータージェイシャープシアター
36.フィルムソサエティ
37.ジャズアットリンカーンセンター

めちゃんこ見たので一つ一つは到底書ききれないので抜粋して順に話す。

13時間のフライト。11時に出発したのに、まだ10時だ。この時点で眠い。
ただサーリネンのTWAターミナル5は、いわゆる建築デザインに興味を持ち始めた大学2年くらいの頃に衝撃を受けた作品だったから、眠気は吹っ飛んだ。
どういうスタディを経てここに至れるのか全くもって凄み。

TWA terminal5

謎の宇宙船のような、いや宇宙人のような、いや、はたまた太古絶滅した地中生物のような。
何故当時猛烈に惹かれたのか。今でもめちゃ惹かれてるんだけど、それってやっぱ曲線にあるのかな。
僕の感覚、大きく曲線て2種類あるかなって思ってて、ゆるーい曲線と急な曲線だ。

コルビュジェやリチャードマイヤーのようなヌルリとした緩い曲線。身体のような曲線。

もう一方はザハやミラージェスのようなクッといってクッていく曲線。伊藤智仁曲線とでも名付けようか。(ヤクルトの魔球スライダー投げる投手ね)

その2種類が1つの形として調和してることが惹かれる理由なのかなと思ったりした。
全体的に緩い曲線でドームのように空間を覆う形状の中に、エントランスの屋根から流れてくる二本の柱などはクッとした曲線が入ってくる。イイ。

後は、背後のオフィス棟みたいなのが左右二棟あって、ブラックのガラスが宇宙船をうまく鏡面で映し出しているのが素敵だった。まさに地球に降り立ち、また飛び立つ感じ。
ああいうバウハウス的ヴォリュームがマスタープランにあるのも良かった。

そして空港からエアトレインと地下鉄で40分程度。マンハッタンに到着。クソ眠い。
宿はミッドタウンのど真ん中。便利や。
そこからは怒涛の超高層トランスモードだ。
歩けば次々に、
ええっ!!ミースや!!わわ!SOMや!!なんじゃこりやああ!!フォスターや!!!
ってなる。
ミースのシーグラムビルはホテルから徒歩5分だった。
やはり少し周辺とは違う、異様な佇まいというか引力がある。

シーグラムビル

こうやって対峙すると、なんのことはないように感じられてしまう。それはこのビルが今の当たり前を作ってしまったということに他ならないかもしれない。

使ってる素材においてのヤバさ加減ていうのはハンパない。

スチールサッシ、とH鋼マリオン。
おそらく実務20年のベテランと一緒に見ると違う感動があるだろう。

ここいらですでに眠気は120%に達しているが、ノルマ的に今日見ておかねばならぬものが多々あるため、止まるわけには行かないのだ。
MOMA。

展示されてる作品がまぁ凄い。世界的遺産とも言える作品が次々に並ぶ。

強烈な個の集積によるシークエンスがMOMAの一番の価値であるから、それにたいして建築はホワイトキューブである必要があったんじゃないか。

不意にめっちゃ大好きな作品に出会えたりしまう。

マレーヴィッチのホワイトオンホワイト。
眼が覚める切れ味。

堪能した後NYの街を散歩。
結構よく見るNYな写真。

この日は一目散にお布団に向かった。

二日目の朝、セントラルパークへ。
ビルに4周囲われた公園。
しかし実際行くと、その圧倒的にデカさから、こんなことになる。
公園の中心部まで行くと、周辺の超高層建物が全て見切れるのだ。これが感動だった。

セントラルパーク
超高層のひしめく超グリッドの中心の中心はビルがない世界が広がっていた。なんてコンセプトなんや。
と言いながら真ん中にぽっかり穴の空いたベーグルを朝メシに頬張った。奥さんと二人分のベーグルで平気で3000円する。スシローで豪遊できる値段だ。

メトロポリタン美術館。
ちょっとフットプリントがデカすぎる。明暗のシークエンスがとても気持ちよかった。

光が本当にカラッとしてる。ベージュかかった石、マットで肌理の細かいコンクリートの表情にすごく映えるなぁ。

本当に1日20kmくらい歩く覚悟じゃないと見切れないのがこの街かもしれない。もう飲まれそうだ。。

さてさてお次はグッゲンハイム美術館。
巨匠がガンガン出てくる。ちょっと呼吸が整わないぜ。

パッと見の印象、こんなヴォリュームがぽこぽこしてたっけか。

あくまで円筒のスパイラルのヴォリュームを際立たせるデザインなんだけど低層ヴォリュームがいくつか外観を形作っている。
しかしこれ1943年竣工ですって。
新しいかは分からないけど、全然古さを感じさせないなぁ。ステキなデザインだ。
しかしいと哀しきことに展示の入れ替え作業とか言って、円筒スロープ部分は一部しか入ることが出来なかった。ガビーン。

しかしジオメトリーが中に入っても掴めなかった。外部は明らかに先太りしてるヴォリュームだが、内部吹き抜けは先細りしてる?わずかに?って感じた。

そして少し地下鉄に乗り、30分弱でクロイスター美術館へ。
メトロポリタン美術館の別館で、ミッドタウンから40分ほど。
少し離れたところにある。
ハドソン川を眺めながら城壁?をそって15分ほど歩く。
クロイスターと呼ばれる四周列柱の中庭、パティオ空間が4つほどあり、地形の段差を解消しながらシークエンスを作っている。
暗い階段や展示室を抜けるとクロイスター、という連続が面白い空間体験だった。

クロイスター美術館

帰り際に寄ったスコフィディオの建物は勢いあるけどすでにめちゃ汚かった。

3日目は若干時差ボケにも慣れてきたので、とにかく歩いた。

ハイラインを歩く。
グリッドの都市を縫うようにゆらゆらデッキを歩けるのが面白い。
モサモサに植栽があるとこなんかは完全に超高層が見えなくなる瞬間もあった。
すごいめちゃモサ。

ハイラインを抜けてホイットニー美術館。

気になるピアノのディテールをパシャパシャ。
ブラケットとマリオンとロールスクリーン。
綺麗だなぁ。

その後、チェルシー地区を歩きに歩き、デパートやショップを見まくってこの日は終了。
長くなったのでマンハッタン編1、いじょ。
次はニューヘイブンへカーンへ会いにいく。

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