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大阪〜博多600km徒歩の旅(16)広島県広島市〜廿日市市

大阪から博多へ 山陽道600km徒歩の旅
第16ステージ
広島県広島市〜広島県廿日市市(22km)

この旅が始まってから、習慣的に、朝6時に目が覚める。「もう少し寝ていたい」という気持ちと、「原稿を書かなきゃ」というプレッシャーがせめぎ合う。そしてなんとか自分に鞭を打ち、ゆるゆると起き出して原稿を書いている。

6時過ぎから、8時まで原稿を書いた。分量が多いからそれでもまだ終わらないけど、今日の予定も考えると一度切り上げて支度しなくてはいけない。急いで朝風呂に入って、朝ごはんをしっかり食べ、チェックアウトした。

9時50分に出発。宮島口を目指す。

雪は止んでいたが、手が凍りつくような、かなりの寒さ。旅の直前に買ったネックウォーマーを初めて使った。いつもは歩いているうちに暑くなってきてダウンを脱いでいたのだけど、今日はいつまでもダウンを脱げなかった。

ただ、快晴で景色は素晴らしかった。川沿いの道が気持ち良い。広島ではいろんな方と会えて良い思い出ができたが、観光がほとんどできなかったことは心残り。次回はできれば、3泊4日くらいで広島に滞在したい。

国道2号線に出てからはひたすら一本道で、大しておもしろい道ではないけれども、すぐ横を路面電車が並走していたのは悪くなかった。知人の母校である広島井口高校に寄り道したほか、五日市駅前には早咲きの桜が咲いていた。

12kmを歩き、途中の楽々園という駅に着いた。実は12時半から、楽々園のマッサージ屋さんを予約していたのだ。到着したのは12時25分で、ピッタリだった。歩くペースの勘所がわかってきたかもしれない。

訪れたのは「asian relaxation villa 楽々園店」。この「asian relaxation villa」は全国各地にチェーン展開していて、ぼくは身体が疲れたとき、大田区の近所の店舗によく行っている。研修がしっかりしているのか、みなさん上手なのだ。昨年の東北一週自転車旅の際も、青森や秋田でこの系列店を訪ねた。内装やシステムが同じだから、安心感がある。

施術してくれた田村さんと雑談していたら、あっという間に時間が過ぎた。いろいろな仕事をしてきた彼女のキャリアがユニークでおもしろかった。マッサージも気持ち良くて、身体が生き返った。田村さん、ありがとうございました!

それにしても、「楽々園」って変わった地名だなと思った。調べてみたら、1936年に広島電鉄の前身である広島瓦斯電軌が「電車で楽々行ける遊園地」として楽々園遊園地を開園したそうだ。その後1971年に、つまり今から50年以上も前に遊園地は閉園してしまったが、楽々園という地名だけは今も残ったのだという。

再び歩き出すと、その後はずっと雪だった。黙々と9km歩き、ゴールの宮島口に到着。

ここから宮島行きのフェリーが出ているのだが、もう夕方なので今日は行かない。大学3年生の夏に宮島(厳島神社)へは行ったことがあるから、今回は行かなくていいかなと思っていた。しかし、歩きながら対岸の宮島を眺めていると、「やっぱりせっかくだから行っておこうかな」という気持ちになってきた。明日の朝に、サクッと訪ねようかな。

今日はその代わりに、広島名物の「あなごめし」を食べることにした。周辺にはいくつかお店があるのだが、地元の方々から「あなごめしうえの」という店を強く推奨され、ぜひ行ってみたいと思っていた。

開店時間の10時からお昼時にかけてはいつも行列ができるほどの人気店だそうなのだが、夕方覗いてみると、奇跡的に誰も客がいなかった。てっきりもう品切れで終わってしまったのかと思ったけど、尋ねてみると「18時にシャッター閉めますけど、それまでなら入れます」という。まだホテルにチェックインもしていないが、チャンスなのですぐ入ることにした。

創業は明治34年(1901年)で、ここが広島名物「あなごめし」の発祥の地だという。店内には歴史を感じさせるチラシなども展示されていた。

あなごめしのメニューは、「小」「上」「特上」の3種類。2800円と少しお高いが、迷わず一番人気の「上」を注文。プラス150円でごはんを大盛りにした。

そしたらごはんがすごいボリュームでビックリしたけど、でもお腹が空いていたから嬉しかった。あなごもおいしくて、無我夢中で食べた。至福の時間だった。

宮島口駅から1kmほど南へ歩いたところに今夜の宿があった。「グランヴィリオホテル宮島 和蔵」というホテルで、評価が高く、7000円以下で泊まれたから数日前にパッと予約した。

特段期待もせず、どんな宿なのか全然調べてもいなかったのだけど、ここが素晴らしく良かった。この旅で泊まってきたなかでは、いちばん快適で素晴らしいホテルだと感じた。

・ビジネスホテルとは呼べないゴージャスな空間
・部屋は洋室風でありながら、床は畳でくつろげる
・露天風呂から宮島が一望できる、サウナ付きの広々とした天然温泉
・風呂上がりの生ビールやサワー飲み放題。ヤクルトやアイスもフリー
・選べる浴衣サービス
・シャンプバー(こんなの初めて見た。いくつものこだわりのシャンプー&コンディショナーから好きなものを使える。女性にウケていた)
・7階の展望ラウンジからは宮島が望め、フリードリンクが用意されている

などなど、サービスが充実していて申し分ない宿だった。

ドーミーイン贔屓のぼくも、「これはドーミーインを上回るクオリティの高さだな」と思ってしまった。あとでここが、ルートインが運営するリゾートタイプのホテルだとわかって驚いた。

でも冷静に調べてみると、たまたまぼくが泊まった日がラッキーだっただけで、別の曜日で調べると最低1万4000円〜2万円はした。その価格ならこの質の高さも納得だけど、なぜか水曜に泊まると7000円くらいだった。宮島へ行く機会があれば、ぜひ検討してみてほしい。

<今日の費用>
マッサージ(150分) 11940円
あなごめし 2950円
ホテル 6885円

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