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恵梨香の幸せ(第24話)雄々しい康太

 康太が結婚するにあたって夜の生活も重視してるのは知ってた。恵梨香もこれだけはライバルよりベッド・テクだけは自信があった。不安なのは恵梨香のビヤ樽ボディだけ。ついでに狸顔。

 入籍前夜に結ばれた時もこれだけは最後まで不安だった。恵梨香のすべてを見た瞬間に康太が萎えちゃうんじゃないかってね。

 あの夜はまず康太がシャワーを浴びに行って、入れ替わるように恵梨香がシャワーに行ったんだ。シャワーを浴びるには服を脱がなきゃいけないけど震えてた。この恵梨香ビッチ様が生娘のように震えてた。

 シャワーが済んで、バスタオルを巻いて出てきたら康太が待っててくれて、がっちり抱きしめてくれたんだ。そして恵梨香の唇を優しく塞いでくれた。これが康太とのファースト・キスだったものね。

 康太に抱きしめられた時に恵梨香に康太の雄々しさが触れたんだ。キスされてる時にバスタオルは取られたから、ダイレクトに感じたもの。それでもまだ恵梨香は不安だった、これから恵梨香のすべてがベッドでさらされるんだもの。その時に萎えないかって。

 ベッドに移り、ついに見られた。恵梨香のすべてを見られた。恵梨香は目を瞑ってた。開けられるものじゃなかったもの。もう神様にお願いしまくってたもの。こんな恵梨香を愛して下さいってね。

 康太の指先が優しく触れてくれた。その指先から、唇から、そして全身から恵梨香に康太の愛が伝わってきた。時間が経つほどビンビン伝わってきた。恵梨香の体は一〇〇%反応して声も抑えようがなかったもの。

 でもまだ不安だった。反応してるのは恵梨香だけ、恵梨香だけ感じて、反応しても結ばれないのよ。結ばれるためには、この恵梨香の体を康太が喜んでくれないといけないの。でもそんな恵梨香の不安をよそに恵梨香の体は燃え上がっていった。

 康太の指は恵梨香の体がどれだけ燃え盛っているかを知っている。この時に恵梨香は初めて体を開くの意味を知ったと思う。今までだって開いてきた。初婚のクソ元夫は強引に開いたし、不倫上司は開いたまま縛り上げもした。

 でも康太とは違う。外から見たら同じかもしれないけど、心が開いてるの。いや、開きたくて、開きたくて、開ききってるんだ。心が開き、恵梨香が花開き、心の底から迎え入れたいしか頭になかった。

 そして雄々しい康太が恵梨香に触れるのがわかった。本当に雄々しかった、経験したことがないほど雄々しかった。ビッチのはずの恵梨香が身悶えするほど雄々しかった。声なんて止められるものでなかったんだ。

 雄々しい康太をすべて受け入れられたのは誇らしかった。そう、康太は疑いようもなく恵梨香の体に反応してくれたんだ。後は女に生まれた喜びを心行くまで堪能させてくれた。ビッチの恵梨香が、まるで初めて女の喜びを知った小娘ように興奮しまくってた。そして受け止めて朝が来た。

 初めて結ばれた夜はシチュエーションがシチュエーションだから、あそこまで感じられたと思ってた部分もあったけど、冗談抜きで康太と結ばれる度に繰り返されるし、この恵梨香ビッチ様の感度は間違いなく上がってるんだよ。

 今では、今晩と思うだけで恵梨香の体は燃え上がるし、ベッドに入った時点でウエルカム状態にまでなってる。恥しいけど康太に隠しようもないもの。それを康太に軽蔑されないか心配だったけど、

「恵梨香の体は素晴らしい」

 ひたすら褒めてくれた。あんまり褒められるものだから、ますます恵梨香の体は燃え上がり安くなってる気がする。これって、あの不倫の禁断の蜜を啜っている時に似てる気がする。それを夫婦なのに味合わされてるとしか思えない。

 今のところ康太は変態行為をしないし、要求する素振りもない。なのに恵梨香は確実にビッチになってる。それも恵梨香でさえ恥ずかしいほどのビッチになってる。それでも康太は、

「夫婦じゃないか。奥様を満たすのも夫の仕事です」

 とにかく康太は雄々しい。恵梨香がナマで知ってるのはクソ元夫と不倫上司だけど、比べるのもアホらしいぐらい違う。恵梨香だって雄々しい男が存在するのは知ってるよ。女だってエロ写真やエロ動画を見てるんだよ。

 とくに不倫時代の独りの夜には、ひたすらセルフで慰めまくっていたからオカズにしてた時期があるものね。でもね、あんなに雄々しいのはある種の奇形だと信じ込んでたよ。なにか絵に細工して雄々しく見せてるだけとも思ってたぐらい。

 それぐらいナマで知ってるクソ元夫も不倫上司も貧相だったもの、というか、現実ではあれが標準だと思ってた。そうじゃなければ、女が壊れちゃいそうだもの。いや壊れるとしか思えなかった。

 康太の雄々しさは、そんな恵梨香の知識さえはるかに超えていた。不倫上司にはおもちゃを使われたけど、それさえ、しょせんはおもちゃだとしか思えなかった。初めての夜に康太が入って来た時に、今までと全然違うのに驚くしかなかったもの。

 恐ろしいほど雄々しい物だったけど、満開の恵梨香は喜んで迎え入れてた。あんなのに喜ばされちゃうと、もう他に考えようがなくなるとして良いと思う。いやもうなってる。完全に康太の雄々しさに蕩けさせられてる。

 もうコンプレックスは振り払って良いと思う。康太は恵梨香の体に疑いもなく喜んでくれている。恵梨香の体に康太は雄々しく反応し満たしてくれる。嬉しくて、嬉しくて、たまらない。

 だからじゃないけど、軽い追加プレイをお願いした。そのためにラブホを使う事にした。それも朝から夕までのロング・プレイ。いつもの恵梨香は受け止めて意識がなくなり朝までグッスリなんだけど二回戦のお願い。

 夜にする時は眠っちゃうけど、昼間にラブホを使う時は、さすがにしばらくしたら目覚めるんだよね。これまでは、そこから帰ってたんだけど、二回戦が出来ないかって頼んでみた。

 男って女と違って一回果てると賢者タイムが来るのよね。そこからエンジンを再始動しないといけないけど、ちょうど恵梨香が眠ってる時間を使えば上手く回るんじゃないかと思ったんだ。

 再始動だって若い時は早いだろうけど、康太もアラフォーだから時間も必要じゃない。一方の恵梨香は目覚めると二回戦が待ってるぐらい。それと康太に二回戦が出来るかどうかも知りたいのもあったんだ。

 恵梨香の計算通りになったら、意識の有る間は常に康太に挑まれてる感じになるはずじゃない。ちょっとハードだけど、そんなのも欲しくなってた。康太は恵梨香のプランを聞くと、

「恵梨香が望むなら」

 そして始まった。いつものように途轍もない喜びと満足感を味わった後に恵梨香は眠りについたんだ。眠りに就く寸前に、目覚めた時にスタンバイした康太が待ってくれてるとワクワクしたのを覚えてる。

 ところが凄まじい衝撃に恵梨香は襲われて意識が戻ったんだよ。恵梨香は雄々しい康太に叩き起こされたんだ。体の芯がおかしくなりそうなほど感じたよ。それが何度も、何度も。極限まで追い込まれるのをどうしようもなかった。さすがの恵梨香も、

「康太、もう許して」

 いつもなら恵梨香のお願いは優しく聞いてくれるのに、

「恵梨香、何も考えずに感じてごらん。恵梨香なら出来るし、気に入るはずだよ」

 言葉も出なくなる狂乱状態がどれぐらい続いたかわからないぐらい。たぶん意識のある時は叫びまくり、意識が飛んでもすぐに康太に呼び戻されるを果てしなく繰り返していたんだと思ってる。やっとまともに意識を取り戻した恵梨香に。

「やはり恵梨香は最高だよ。だからボクは恵梨香を選んだ。これからもっと楽しもうね」

 その時には頭がボゥとして何も考えられなかったけど、翌日になってハッと気付いた。康太はあのプレイを知ってるんだって。そう、今までの恋人の誰かをあの状態にまで開発し、あそこまで追い込んでたはず。

 それに康太は恵梨香の反応を楽しみながら、余裕をあきらかに持ってた。つまりあの段階の次さえ知ってるとしか思えない。昨日は『まずはここまで』感が確実にあったよ。恵梨香だって、あそこまでの経験はあるけど康太の手腕に舌を巻くしかない。

 そりゃ、不倫上司の時にあそこまで経験したけど、あれは後ろを開発された挙句、身動き出来ないように拘束されて、両方はもちろん、全身をおもちゃで責め立てられてようやく達したもの。言ったら悪いけど、不倫上司の粗末なものじゃ到底無理。

 それに対して康太はあくまでもノーマル。行為自体は普通の夫婦がやってるのとまったく同じ。そうなのよ、あの雄々しさ、逞しさだけで恵梨香をあそこまで導いてしまってる。それとノーマルであるがために逆に恵梨香の逃げる余地もなくなってる。

 恵梨香が追い込まれる時は、康太はガッチリ覆いかぶさってるのよね。もちろんしっかり結ばれてる。それだけでも逃げるのは困難だけど、逃げる気自体が起こらないようにされてるとしか思えない。いや、完全にそうされた。

 怖いってか。そりゃ、怖いよ。このまま死んじゃうんかないかとまで思ったもの。それに康太の余裕から、恵梨香でさえ経験したことのない世界に連れ込もうとしてるんだよ。でも恵梨香は康太を信じてついて行く。それを望まれて選ばれたんだ。康太の望むビッチになってやる。女のプライドを懸けてもなってやる。それが恵梨香の喜び、康太への愛。

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