Yosyan

趣味で小説を書いています。基本はシリーズ物なので順次公開していく予定です。

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マガジン

  • ツーリング日和5

    鹿児島へのロングツーリングに出かけたコトリとユッキーは、フェリーで出会ったカケルに興味を持ちマスツーに持ち込む事に成功。カケルから聞いた話は、女の夢であるスウィートを冒涜するものと判断した二人が繰り広げた作戦とは。

  • ツーリング日和4

    奇妙な生い立ちを持つ大学生のユリは、これまた訳の分からないトラブルに出くわし突然の逃避行を余儀なくされます。途方に暮れるユリの前に現れたのが謎の二人組のコトリとユッキー。この二人とのマスツーは、さらなるトンデモ冒険にユリを導くのでした。

  • ツーリング日和3

    鈴鹿スカイラインで出会った和彦に魅かれるコトリとユッキー。ですが和彦は傷心旅行の真っ最中。和彦が振られた理由はともかく、和彦が振られる原因の一つとなった福井の料亭の話が気になります。これはマイの実家の料亭に関わるので報告だけはしておこうとなりますが、連絡を受けたマイは翌日には清次を連れて乗り込んで来ます。ツーリングの迷惑にしかならないとボヤくコトリでしたが、そこからマイの異能の真価を知る事になります。

  • ツーリング日和2

    歴女のコトリ、温泉小娘のユッキーの二人の趣味を満たしながらのツーリングは、四国に、さらに山陰へ。旅先で出会った人との心温まる交流を描くツーリング日和第2弾です。

  • ツーリング日和

    コトリとユッキーが突然始めたバイク・ツーリング。そのために買ったバイクがなんと125CCの原付二種。非力ですし、高速を走れないデメリットをミサキは心配します。  それとあの二人ならいきなりのロング・ツーリングをやりかねないとミサキは見ていましたが、慎重にステップ・アップするのに逆に感心します。  あれこれとツーリングを重ねてた末に二人が目指したのが、しまなみ海道。楽しいツーリングを続ける二入の前にタチの悪い走り屋集団が現れます。  その場にたまたま居合わせたモトブロガーの杉田は、その走りを見て驚きを越えて呆れてしまいます。あまりにも常識外れの走りの謎をモトブロガー仲間の加藤と共に追いかけます。  ついにたどり着いたバイクの秘密は・・・

最近の記事

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天使と女神シリーズ 登場人物紹介

 このシリーズは延々と長いので、主要登場人物だけ紹介しておきます。まず女神は不死ではありませんが、人としての寿命が尽きると他の人に意識と記憶を持って移り代わり、その記憶は5000年を遡ります。  主女神:シオリ  首座の女神:ユッキー  次座の女神:コトリ  三座の女神:ミサキ  四座の女神:シノブ  五人の女神のうち首座と次座の女神のみが5000年前からの記憶を持っています。女神の普段の生活は人と変わらず、ただ女神を宿すことにより、人としての能力は非常に高くなり、神々し

    • ツーリング日和5(第27話)ティー・タイム

       さてお茶の時間だけど、今日の紅茶はダージリンにしよう。グラグラに沸騰したお湯をまずポットとカップに入れて温めておく。ポットのお湯を捨て茶葉を入れて、そこに熱湯を注ぎ、さらにティーコジーで醒めないようにする。このひと手間だけでもお茶の味が変わるのよね。  お茶には昔から名水が付き物だけど、神戸で有名な名水と言えば宮水。清酒作りに有名だけど使わない。宮水は清酒を作るのには良いかもしれないけど、あれは硬水、お茶には合わないの。  お茶には軟水が最適。それがどこで手に入るかって

      • ツーリング日和5(第26話)直感の恋

         佐伯さんはしばらく物思いに耽ってるようでしたが、 「副社長は帰って来ても良いとまで言ってくれた」  与えられた使命を果たしたらそうなるはず。 「でもね、副社長にはお世話になったけど、辞めようと思ってる」  どうして、戻るのはあのエレギオンHDではありませんか。 「だから、私にはあそこは向いていない。それだけは良く分かった」  そんなもったいない。ボクだってエレギオンHDに勤務できることが、どれだけ価値があるか知っているぐらいなのに。 「そう価値はある。でもそれ

        • ツーリング日和5(第25話)いつもと違う夜

          「今日は飲みに行きます」  ああまたか、地獄の講義宣言だ。ここのところなかったから油断していました。前の講義内容は・・・やばい、ウロ覚えになってるじゃないか。こりゃ、煉獄の一夜になりそうだ。 「シェフ、ご愁傷様」 「生きて帰って来ると信じてます」  誰が死ぬか! 死にたいと思うほど辛いだけです。あれっ、いつもの居酒屋じゃいのか。これは個室で責め上げられるとか。どうにもロクな想像が思い浮かびません。予想通り個室に通されて、 「今日は飲も」  今、なんて言った。いつもな

        • 固定された記事

        天使と女神シリーズ 登場人物紹介

        マガジン

        • ツーリング日和5
          27本
        • ツーリング日和4
          35本
        • ツーリング日和3
          35本
        • ツーリング日和2
          34本
        • ツーリング日和
          36本
        • 運命の恋
          43本

        記事

          ツーリング日和5(第24話)講義

           店が軌道に乗り始めた頃から佐伯さんに飲みに誘われるようになっています。まさかデートの誘いかとビビった部分はありましたが、行ったらエライ目に遭いました。形としては夕食を頂きながらお酒を飲むなのですが、実態は甘いものではありません。 「経営とは・・・」  そうなのです。経営哲学、経営理論、経営のための具体的なノウハウなどなど、ひたすら実践経営学みたいなものの講義です。これが会っている間にひたすら続きます。合間の雑談すらほとんどありません。  これも一回限りじゃなく、次もあ

          ツーリング日和5(第24話)講義

          ツーリング日和5(第23話)佐伯さん

           天敵佐伯さんですが背は高い方で、いつも髪をしっかり結い上げて、金縁の細い眼鏡をしています。来客があれば業務用の愛想笑いこそしますが、いつも厳しい顔をしています。冗談を言っても笑わないどころか、そもそも無反応です。  それと無駄口というものありません。口を開けば仕事のことばかり。それも簡潔明瞭です。いきなり話のキモにズバッと切り込んで来るとすれば良いでしょうが、これも他のスタッフに言わせると、 「あれは決定事項の通達ですよ」  そんな気がしないでもありません。とはいえ、

          ツーリング日和5(第23話)佐伯さん

          ツーリング日和5(第22話)復活

           ツーリングが終わってしばらくした頃にスマホに電話。今さら、こんなところから電話って冗談だろうと思いながら出ました。だって追い出された元の職場からです。電話の内容は、 「シェフとして戻って来て欲しい」  悪い冗談としか思えません。今さらも良いところじゃありませんか。でも話を聞くと店は大きく変わってしまったようです。ナガトがスタッフをゴッソリ引き抜いてプレデンシャル・ホテルに移った話までは知っていましたが、その後に店がどうなったかです。  救済融資の引き上げを突然要求され

          ツーリング日和5(第22話)復活

          ツーリング日和5(第21話)出会い

           ボクは遠山翔。ショウではなくカケルと読みます。住んでいるのも今にも壊れそうなボロ・アパートです。これもさらにがありまして、いくらボロ・アパートにしてもさらに破格のタダ同然です。  理由は事故物件。そう、人が殺されたり、自殺している曰く付きの部屋です。ここの事故っぷりはかなりのもので、実に三人も自殺があったようで不動産屋さんでさえ、 「予算があるのはわかりますけど、四人目になっても化けて出てこないで下さい」  そこまで言われましたが、無事生きてます。ボクも神戸の生まれで

          ツーリング日和5(第21話)出会い

          ツーリング日和5(第20話)霧島ツーリング

          「フェリーは何時なの」 「十七時発やから十六時やな」  今日はお待ちかねの霧島ツーリング。まずは湧水町に出て、そこから国道二六八号を北上して、みやま霧島ロードに入るはずだけど、 「本当にこんなところを曲がるの」  これって裏道? 「そこのとこ右に入るで」  えっと思ったけど二車線か。なんか蛇行してるような、 「合ってるの」 「ほら見てみい、宮崎道が見えるやろ」  なるほど側道みたいなものか。 「これ右や」  右側に見えてるのが霧島のはずだから正解か。これがみ

          ツーリング日和5(第20話)霧島ツーリング

          ツーリング日和5(第19話)粟野岳温泉

           ここは秘湯の一軒宿ではあるけど鄙びた小さな宿じゃないな。立派な庭もあるし、正面にあるちょっと古めなのは本館かな。さらに左の奥に新館らしい建物まである。泊まるなら本館だよね、 「本館は日帰り休憩用やそうや」  なるほど日帰り入浴客も多そうだ。これも鹿児島の温泉の特徴みたいで、公衆浴場みたいなものも多いし、宿泊施設があってもメインは日帰り入浴みたいなとこも少なくなさそうな気がする。 「昔ながらの湯治宿も多いな」  受け付けはこっちの母屋みたいなところなのか。部屋の案内地

          ツーリング日和5(第19話)粟野岳温泉

          ツーリング日和5(第18話)霧島神宮へ

           山頂に着いたからお楽しみのお弁当。 「ミサキちゃんもシンプルにしたね」  お握りと焼きおにぎりに漬物の取り合わせだよ。でも高千穂峰に合ってる気がする。 「龍馬が登った時もこれぐらいやったかもしれへんな」  お握りをパクつきながら、高千穂峰から広がる壮大な景色を楽しんだ。お弁当を食べてカケルもちょっと息を吹き返した感じ。たっぷり景色を堪能して下山だけど。 「コトリ、抜いてみないの」 「社会のマナーや。御神体には触れるなって書いてあるやろ」  下山は登りと同じ。だけ

          ツーリング日和5(第18話)霧島神宮へ

          ツーリング日和5(第17話)高千穂峰登山

           高千穂峰は標高一五七四メートル。登り口は高千穂河原にしたからここで標高五〇〇メートル、標高差は千メートルちょっとだね。だけどカケルは嫌がってたな。 「山登りですか!」  カケルの歳ならそういう反応になるはわかるよ。カケルはツーリングをするぐらいだからアウトドア派になるだろうけど、 「そやろな。アウトドアいうたら山か海やが、山と言ってもキャンプぐらいやろ」  キャンプに伴う軽いハイキングぐらいはありでも、山を登るとなれば話は別になるもの。カケルの表情に、どうしてわざわ

          ツーリング日和5(第17話)高千穂峰登山

          ツーリング日和5(第16話)日向風土記

          「天逆鉾やけど刃の部分は付け足しちゃうやろか」  そんなはずないじゃないの。刃があってこその逆鉾じゃない。 「そうやねんけど柄にしたらやっぱり不自然や」  柄にも装飾が施されることがあるけど、コトリはあの顔面像がまず不自然だって。 「龍馬は天狗やと言うたし、昔で鼻が長い言うたら天狗やけど」 「猿田彦だっているじゃない」 「なんで二人もおって、神話もあらへんねん」  神話が残っていないものは事実だから仕方ないじゃないの。 「いやホンマはあったはずや」  なるほど、

          ツーリング日和5(第16話)日向風土記

          ツーリン日和5(第15話)坂本龍馬の手紙

           有名な割には記録の乏しい天逆鉾だけど、具体的かつ詳細で信用の置ける記録が一つある。これがなんと坂本龍馬の手紙。 「寺田屋事件の後に、おりょうとやった日本初の新婚旅行の時のやっちゃな」  寺田屋事件で瀕死の重傷を負った龍馬は薩摩藩邸に匿われ、さらに薩摩藩内に負傷治療のために送られてるのは事実なんだよ。この時におりょうも同行しているから、日本初の新婚旅行とも呼ばれてるぐらい。  ここでなんだけど龍馬には姉の乙女がいるのだけど、非常に仲が良かったのもまた有名な話。龍馬が脱藩

          ツーリン日和5(第15話)坂本龍馬の手紙

          ツーリング日和5(第14話)天逆鉾

          「コトリ、明日の準備は」 「バッチリや」 「カケルの分は?」 「用意してくれたんはミサキちゃんやで。抜かりあるかいな」  カケルの靴が心配だったけど、ミサキちゃんに任せておけばバッチリのはず。明日は今回のツーリングの最大の歩きである高千穂登山。ツーリングだから、本格的な山登りは避けてるんだけど、高千穂峰だけは登っておきたいのはコトリも同じだったのよ。見方によっては今回のツーリングの目玉かな。  高千穂峰は天孫降臨神話の地。あの山に神々は降り立った事になっている。コトリにや

          ツーリング日和5(第14話)天逆鉾

          ツーリング日和5(第13話)霧島湯之谷温泉

           国道四五〇号は酷道じゃなかったし、県道五十号も険道じゃなかった。ラッキーよ。県道四五五号が険道かどうかはわかんないけど、快適、快適、快走ツーリング。今日は池田湖、西大山駅、枕崎、知覧、加世田と寄り道が多かったし、あれはあれで楽しかったけど、やっぱりツーリングに来たからにはこうじゃなくっちゃね。 「国道二二三号を左に入るで」  書いてある、書いてある、霧島温泉って。後はひたすら直進。霧島もずっと来てみたかったんだ。鹿児島出張でも霧島神宮さえ来たことないもの。後七キロってな

          ツーリング日和5(第13話)霧島湯之谷温泉