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ボルヘス-詩という仕事について

ボルヘスが大学での講義を文字起こししたもので、題名の通り、詩、また文学についての講義です。僕は芸術が好きで、詩や本もよく読む(まあまあ、読む)。偉大な小説家のボルヘスの話聞いてみたいなと思いこの本を手にしたのだけれど。その内容が面白くて皆さんに読んでもらえたらと思い、一部引用し紹介したいと思います。


私 は これ まで 書物 を 読み、 腑分け し、 書き( もしくは 書こ う と 試み)、 楽しん でも き まし た。 そして この 最後 の 行為 こそ が、 何 よりも 大切 な もの で ある こと を 悟り まし た。「 詩 を 汲む」。 これ こそ 私 の 得 た、 いわゆる 最終 的 な 結論 です。

J.L.ボルヘス; 鼓 直. 詩という仕事について 

 We are such stuff as dreams are made on「 われわれ は 夢 と 同じ 材料 で 作ら れ て いる」。(シェイクスピアの引用)

J.L.ボルヘス; 鼓 直. 詩という仕事について (岩波文庫) 

隠喩 こそ は 文学 の 本質的 要素 で ある、 と ルゴネス が 書い て いる のを 読み、 この 立言 を 受け入れ た の でし た。 ルゴネス は、 あらゆる 単語 は 本来 的 に 隠喩 で ある と 書い て い ます。 これ は 正しい の です が、 しかし 同時に、 多く の 単語 を 理解 する ため には 皆さん は、 それら が 隠喩 で ある こと を 忘れ なけれ ば なら ない という のも、 また 真実 で あり ます。
J.L.ボルヘス; 鼓 直. 詩という仕事について (岩波文庫)

何 かを 書い て いる とき、 私 は それ を 理解 し ない よう に 努め ます。 理性 が 作家 の 仕事 に 大いに 関わり が ある とは 思っ て い ませ ん。

現代 文学 の いわば 罪障 の 一つ は、 過剰 な 自意識 で あり ます。 例えば、 フランス 文学 は、 世界 でも 優秀 な 文学 の 一つ で ある と 私 は 考え て い ます( この 点 を 疑う 人 が いる とは 思え ませ ん)。 しかし、 フランス の 作家 たち は おおむね、 自意識 が 過剰 で ある という 印象 を 私 は 抱い て い ます。 フランス 作家 は、 何 を 書く のか はっきり する 前 に、 まず 自己 の 定義 づけ を 行ない ます。 彼 は 言い ます。 これ これ の 地方 に 生まれ、 社会主義 者 の 気味 も ある( 例えば) カトリック 教徒 は、 果たして 何 を 書く べき だろ う か?   あるいは、 第二次世界大戦 を 経 た 今日、 われわれ は いかなる 書きかた を す べき だろ う か?   私 の 考え では、 こういう 迷い の なか で 仕事 を し て いる 者 が 世界中 に 大勢 いる の です。
J.L.ボルヘス; 鼓 直. 詩という仕事について (岩波文庫) 


言語の翻訳での直訳と意訳についての話とか、他にも山ほどドキドキとする話があったのですが、あまり引用しすぎるのもあれなので、この程度で。もう一度読んでみよう。
(下から買ってもらえると僕に僅かな報酬が入ります)


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