企業研究『Zoominfo(クラウド・営業先データベース)』
決算書から企業の強みや市場の可能性を読み解き、自分なりの仮説をもって事業の動向をとらえられるようになるのを目指して、お気に入りの動画等から学んだ「決算書のポイント」を「おすすめのコンテンツ」と共にまとめたノートです。決算書の勘どころをつかめるようになりたいという方に役立つ内容です。今後の決算でも加筆する予定です。
1.企業の強み
Zoominfoの業界における特長
◆他社との差別化
データの精度やカバー率の範囲
色々な情報を集めて綺麗にスプレッドシートに入れる作業を大量にこなすノウハウやエンジニアリング
◆事業の成長性
売上YoY+62%、$476M(通期)
営業利益がYoY+3%、$37.1M
+62%で成長している上に黒字はすごい(SaaSは赤字の企業が多い)
◆ビジネスモデルの特徴 公開情報を集めて整形し、営業先リストとして利用できるようにする
営業やマーケティング向けに精度の高い情報を提供するプラットフォーム
データをエクスポートしてセールスフォースなど他のツールに入れ込める
リクルーター向け、海外展開など、市場を少しずつ広げて成長する戦略
2.市場の可能性
Zoominfoの業界を取り巻く環境や市場の可能性
◆投資家の見方
投資家は景気が良いとトップライン、景気が悪いとボトムラインを見る
今は全体的にお金が余っているので赤字でも早く成長できる会社がいい
いずれ状況が変化して景気が悪ってくるとボトムラインを見始める
◆経営者が株を売るタイミング
経営者はインサイダーなので売れるタイミングが限定される
自分でタイミングを指定せずに第三者に委託して売る
一般的に経営者が株を売るのは業績が良くて株価が高い時
◆今後の注目ポイント
顧客獲得後にエンタープライズ領域でより付加価値の高いソリューションを提供していけるか
3.数字を読む着眼点
他の決算書でも使える数字のとらえ方
◆来年の売上予想が+35〜38%
コロナの追い風がなくなることを考慮したコンサバな予想
今回の+62%に比べると低いが+35〜38%でも十分すごい
◆TAM(Total Addressable Market)が$30B
獲得可能性のある市場規模が最大3兆円
◆Network Effectが100mm
ユーザーがこのプラットフォームで毎日1億回営業している
◆LTVとCACの比が10倍以上
顧客を1人獲得する毎に獲得コストの10倍以上が将来返ってくる
LTVとCACの比は3倍以上で良いと言われるので、10倍はすごい
1人のお客さんを見つけるのにかけるお金が100かけて、そのお客さんから生涯にわたって得られる売上が1,000(10倍)以上あるという意味
◆Net Revenue Retention rateが108%
1年前にいたお客さんからの売上がどのくらい増えているかを示す割合
あるお客さんからの売上が2019年は100、2020年が108になるという意味
100を超えると「一旦お客さんを獲得すると売上が毎年積み上がる」状態を示す(ネガティブチャーンと言う)、業界トップのZoomやslackは130
◆PSRが46倍
平時ならかなり高い数字だが、コロナバブルの中でYoY+60%で伸びている黒字のSaaS会社と考えると妥当な数字
4.決算説明資料(IRレポート)
2020年第4四半期 決算説明会資料
https://ir.zoominfo.com/static-files/bd0542aa-be65-477f-9e93-4d0986b42c46
5.おすすめコンテンツ
(1)決算解説
決算書のポイントを理解するならコレ、おすすめの動画「シバタナオキの決算実況」と文字起こし記事「決算が読めるようになるノート」です。
(2)事業内容
企業の事業内容を調べるならコレ、おすすめのサイト「strainer」です。
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