塩田千春さん 「魂がふるえる」
結論から言うと、魂が震えっぱなしでした。
アメリカ留学から帰国した友達と、今話題の「塩田千春展 : 魂がふるえる」を観に行きました。
一歩入った途端に、圧倒されました。
一面の赤。それも全て蜘蛛の巣の様な、糸。
この時点で、塩田さんの伝えようとしている何かに押し潰されそうになりました、心臓ばくばくです。
それ程に、威圧感のある作品です。
進んで行くと、少しずつ塩田さんがどういう想いで作品を産み出しているのか、分かってきました。
人間の恐れる事、虚無•死•言葉にできない感覚、それらを必死に表現しようとする塩田さん。
それは存在しないし形も持たないのに、それをどうにか手で掴む感覚。言葉にしたいのにぴったり合う言葉が存在しない感覚。
それを表現する為に孤独に戦う底の無い苦しみが、
痛い程に伝わって来て
恐怖さえ感じました。
それらの作品や解説は、写真にも残せませんでした。
ピアノを弾く自分としては
燃やされたこのピアノの作品を観て、どう感じて良いか分かりませんでした。
この空間、取り囲む真っ黒に焦げた椅子達からも、一切の「音」が奪われた様でした。
演奏者も観客もいない。
全て真っ黒焦げの中、張り巡らされた黒い糸。
なのにそこには、何かが有るんです。
怖かった。
(唯一、音楽を感じてバレエのポーズをとる女の子の感性の純粋さに、心救われました。)
最後、子供達に
「魂とは何か?」
と問うビデオが放映されていました。
2019/8/2