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#406 30万円の洗濯機を“あれ”で壊しかけた
先週、我が家の洗濯機でちょっとしたトラブルが発生した。
我が家の洗濯機は、糸くずフィルターが筒状になっていて、回転させながらロックを外し取り出す構造になっている。しかし先週、そのフィルターを取り出そうとしたところ、急に抜けなくなった。何かに引っかかっているようだった。
私はすぐに原因を予想した。
我が家には公園で遊ぶたびにポケットに石を入れて帰ってくる息子がいる。きっとその石が洗濯機のフィルターに引っかかっているのだろう。
しかもこの洗濯機、ただの洗濯機ではない。新居に引っ越した際、家族が増えることを見越して家電量販店にある最大のモデルを購入した30万円の高級洗濯機だ。買ってまだ4年しか経っていない。さて、どうしたものか。
最終的に、メーカーに修理を依頼することにした。
修理担当の方が到着し、洗濯機の外枠を外して、糸くずフィルターのケースの裏側からインカメラを使って確認する。
「んっ、これか」
「もし取れなかったら、ケース丸ごとの交換になります。」
そんな言葉に不安が募る中、修理担当の方は特殊な工具を使い、慎重に突いたり、何かを挟むような動きを見せる。
「よし、とれた」
その瞬間、現れたのは…… 銀色に光り輝くボールペンの替え芯だった。
私の頭の中で「息子が公園で拾った石が原因だ」と決めつけていたが、まさかの自分のボールペンの替え芯が洗濯機を壊しかけていたとは。
息子のせいにしていた私は、家族の冷たい視線を一身に浴びる。いや、視線というよりも、鋭く突き刺さる槍のような感覚すら覚えた。
しかし、修理担当の方は、 「糸くずフィルターにいったからまだ良かったですね。もし洗濯槽内に入っていたら、遠心力で勢いづいて洗濯機を貫いていたかもしれませんよ。」
と説明してくれた。
家族の視線は、それでも私を貫いたままだった。
こうして、30万円の洗濯機をボールペンの替え芯で壊しかけた話が幕を閉じた。
皆さんも、洗濯の前にはポケットの中身をしっかり確認しましょう……。