見出し画像

創業1年で年商2億円ラインを突破したQuickWorkの6つの成長戦略

2019年8月に創業したQuickWorkは、創業1年以内にMRR1,500万円突破、利用企業5,000社突破するなどスピード感を持って成長しています。また、ありがたいことに、多岐にわたる表彰(HRアワード プロフェッショナル部門入賞、営業支援ツール顧客満足度No.1、離職防止ツール顧客満足度No.1など)をいただくことができております。まだまだ発展途上の会社ではありますが、この成長を支えた6つの戦略を振り返ってみたいと思います。


1. 投資を一切受けずにスケールする

QuickWorkでは、自己資本比率100%となっており、シード期 / シリーズAでの資金調達をスキップできております。

資金調達の相場イメージ

画像1


そして、資金調達なしで下記の成長を実現できています。

画像2


自己資本比率100%を選択している(資金調達しない)理由は4つで、

①社外株主への説明責任がなく、本質的な業務に集中できる
②スピーディな意思決定ができる
③「収益」よりも「実現したい世界観」を優先できる
④「会社売却」「IPO」を目指す義務がない

です。ベクトルを社外株主に向ける必要なく、実現したい世界観とユーザーだけを見てスピード感持って意思決定できることが、1番のメリットだと思います。

多数の投資先から出資を受けているスタートアップの方とお話しする機会があった際に、「ちょっとした方針転換でも、株主の合意を得るために株主総会を開き、膨大なパワポ資料を作成している」などと伺ったことがあります。(もちろん状況は投資先によると思います。)

投資を受けずにグロースするスタートアップについて、アメリカではユニコーンを超えた"ペガサス"企業と言われており、QuickWorkは"ペガサス"企業を目指しています。

ペガサス企業とは

・ペガサスはその名の通り、自ら羽ばたく力を持ちます。言い換えれば十分に“収益化”できる力を上場前から持っている“10億ドル価値”の企業といえます

・最大の特徴は資金調達をあまり多くしないことです。そもそも自力での事業継続ができるため、通常のスタートアップが経る、シード、シリーズA、Bの調達ラウンドをスキップします

・ペガサス企業はSaaS型事業が多い印象で、収益化が見込めるいわば「ドル箱」を完成させています

・既存収益モデルの着実な拡大に注ぎ、事業拡大スピードを早める時にだけ調達を行います。資金ショートを避けるための調達を繰り返すという理由はペガサス企業には当てはまりません。

ペガサスの素質を持つ4つの企業定義

・少額資金で並外れたプロダクトを作れる小さなチームを持つ
・初日から売上を出して製品開発へ注げる
・「チーム」「プロダクト」「カスタマーフィードバック」「グロース」にのみ特化する
・年間売上成長率が3倍


一方、調達のメリットは2つで、

①資金が潤沢になる
②協力者が増える(投資家やVC)

です。

ただ、QuickWorkは自己資本のみで黒字化を達成し、年商2億円ラインを1年で突破しました。①に関しては必要に迫られることは現状なく、②に関しても、自分たちでスピード感を持って意思決定することを優先しています。

事業内容として規模の経済やネットワークエフェクトが必須で莫大な広告投資が必要な場合や、仲間になっていただきたい投資家が現れた場合には、弊社でも資金調達の検討余地はありますが、引き続き自己資本100%でスケールを進めていく予定です。


2 キャッシュフロー改善

「キャッシュインをいかに早くし、キャッシュアウトをいかに後ろ倒すか」は、スタートアップにとって死活問題です。PLよりもキャッシュフローが圧倒的に重要です。スタートアップが資金調達せずにスケールするためにはキャッシュフローの改善が必須だと思います。

■キャッシュインを早める

弊社サービスでは「契約期間半年〜, 利用開始月一括払」の契約形態を取っています。これにより、6ヶ月分の利用料を開始月に一括回収することができます。キャッシュインが早くなり、サービス改善のスピード感を飛躍的にあげることができます。

ただ、キャッシュフローの重要性を認識しているスタートアップは少ない気がしています。翌月末払いや分割払いを特に理由なくOKにしているスタートアップをよく見るのですが、利用開始月一括払いにすることでキャッシュフローを改善すべきだと思います。

下記の記事のamazonの例が分かりやすいです。amazonはCCC(Cash Conversion Cycle)がマイナスとなっており、注文が入って入金された後に、仕入費用を支払っています。

■キャッシュアウトを遅らせる

人件費や広告費など、できるだけ支払いを後にすることで、キャッシュを残すことを常に意識し、投資体力をつけています。それによりサービス改善のスピードをあげることができます。

具体的には、
・クレジットカードを使うことで支払タイミングを次月にする
・新規ツール導入時は、値引き&分割払い&次月末払いの交渉
・給料の支払いを次月末払いにする
などを実施しています。

3 テックタッチを中心としたオペレーション設計

QuickWorkでは、卓越したオペレーションオペレーショナルエクセレンス)を会社としての強みにすべく、テックタッチを中心としたオペレーション設計を常に意識しています。

オペレーショナル・エクセレンスを含む競合優位性については、こちらの記事が非常に参考になります。

卓越したオペレーションの要素は、仕組化・標準化・自動化・言語化・可視化だと考えています。何か一つのオペレーション改善で強みとなるわけではなく、会社全体としてその5要素を末端まで極め続けることが重要です。

例えば、データドリブンな意思決定体制を作るために、数値モニタリング(リード数, 商談数, 契約数, 売上など)は、salesforce・pardot・ zapier・スプレッドシートを活用し、リアルタイムで自動数値更新される体制を作っています。

営業体制に関しては、
・問い合わせ直後に自動メール配信
・問い合わせ後5分以内架電するためにslackチャンネルに自動通知
・自動メール文面に商談設定できるリンク(youcanbookme)を追加
・サンキューページに商談設定できるリンクを追加
・メール文面は用途に合わせて20パターン近くsalesforce上にテンプレ化
・salesforceでモニタリング項目を必須入力に
・pardotにてステップメール配信の仕組化
などを実施しています。

採用に関しても、
・会社情報や採用基準を言語化し誰でも閲覧できるように
・日程調整はyoucanbookmeで自動調整
・google meetのオンライ面談を1回実施
などを実施しています。

まだまだ実例はあるのですが、いずれも、仕組化・標準化・自動化・言語化・可視化を常に意識している結果できていることです。


テックタッチとヒューマンタッチによる体験的価値の向上

顧客への価値提供に関しては、ただ技術により自動化すればいいというわけではなく、ヒューマンタッチを組み合わせた顧客への体験価値の向上が重要だと考えます。

体験的価値とは、サービスに出会ってから人生全体を通した体験(UX)としての価値です。ただ機能として価値提供するだけでなく、サービスを使う一連の体験での価値を感じてもらうことが今後より重要になってくると思います。

そこで必要なのが、テックタッチとヒューマンタッチの融合です。使い方に関して気軽に質問できたり、担当者の対応が丁寧で素早かったり、ユーザーコミュニティに参加できたりするなど、サービスを使うことが毎回ワクワクするような仕組みがあるような体制を作っています

改善幅はまだまだ多いにあると思いますが、引き続き卓越したオペレーションを強みとすべく、会社として注力していきます。


4 創業期から複数事業トライ(5つの事業創出)

複数事業によるポートフォリオ形成を目指して、創業当初から複数事業を展開しています。

SaaSを代表するセールスフォースでは、4つのサービスを柱にポートフォリオ形成され、リスク分散されています。下記のように売上が15%~34%と4つの事業でポートフォリオが組まれています。個人的なイメージとして、sales cloudが売上の大半の印象ですが、実際は34%しかありません。

画像3

複数事業をスピード感持って進めるために、社内体制としてオールインハウスをとっています。全ての職種(営業, マーケ, 開発, 広報, 採用)を外注することなく社内で完結させることで、スピード感持って柔軟に事業改善&新規リリースすることができます。

特に創業期は、代表の村岡と粂ともに、開発, マーケ, 営業の全てを二人ともできる状態で開始しました。村岡は営業職、粂はマーケ職出身なのですが、二人で開発の勉強をしながら事業を作ってきました。その体制を作ったことで、作りたいサービスができたら1ヶ月~2ヶ月以内にミニマムでリリースできる状態にしています。

また2021/2までに、3つの新規事業をリリースする予定です。オールインハウス体制によるスピード感持ったサービス開発体制で、ポートフォリオ形成を進めていきます。非常に楽しみです。


5 徹底した言語化による再現性の追求

QuickWorkでは「再現性」「言語化」を常に意識しています。再現性を得るためには、言語化が必須です。営業マニュアルや採用基準など、言語化することを意識しています。

再現性についてのわかりやすい例として、吉田松陰が上げられます。吉田松陰は幕末に松下村塾で伊藤博文や久坂玄瑞・高杉晋作など、近代日本に繋がる大きな役割を果たした人物を大勢生み出しています。しかも、それはたった2年半の間でした。

これは目指す世界や価値観・考えが言語化され、再現性を持っていた証拠です。QuickWorkも、徹底した言語化による再現性を意識し、営業マニュアルや採用基準を作成しています。

例えば、営業マニュアルでは、リード獲得から商談スクリプト、よくあるQAや契約後のフォローまで、全てのフローをマニュアル化しています。新メンバーのオンボーディングも基本的にこのマニュアルを見さえすれば対応できるようになっています。

また、Quickworkでは再現性の高いSaaSをビジネスモデルとして選択しています。IS, FS, CSの流れはどの業界になっても汎用的に活用できます。

「再現性」は会社の行動指針として引き続き強化していきます。


6 複業人材×業務委託を採用の要に

QuickWorkでは現在58人のメンバーがいるのですが、うち55人は業務委託かつ複業人材となっています。

複業を求めている人材は、「複業を求める」という特性上、仕事の優先度が高く、スキルに自信がある(かつ実際にスキルの高い)方が多いです。そのため、スキルの高い即戦力人材に、すぐに稼働開始してもらうことが可能です。

また業務委託であることで、契約期間を3ヶ月などで区切り、お互いの相性を確認することができます。面接だけで判断するのではなく、実際に社内で働いていただく社内インターンのような形態です。契約は自動更新のため、お互いに相性が確認できたら、継続して入っていただきます。採用のミスマッチは一定数不可避ですが、この形態を取ることでミスマッチによる負担を最小限にすることができています。


この体制を取れる仕組み2選

1. 完全リモートOK・フルフレックス制

この採用ができる背景として、弊社ではコロナ以前より、完全リモートOK・フルフレックス制度を取っています。本社(シェアオフィス)は東京の渋谷ですが、沖縄や兵庫県, ニューヨーク在住の複業メンバーもいます。

2. 会社情報・採用情報の可視化

また、会社情報や採用情報を可能な限りオープンにしています。応募段階ですでに会社説明資料や採用情報、代表や僕のnoteを読んでから応募いただけるため、ミスマッチがかなり軽減されている印象です。

会社説明資料は2020/10/03に公開してから約3ヶ月の間に、8,400回以上閲覧されています。

採用情報はwantedlyに職種別に公開しています。

このように、複業人材×業務委託の採用形態を取ることで、事業拡大のスピードを飛躍的に加速させることができたと思います。

今後の採用

ここまでの事業拡大や多角化に伴い、現在弊社では経営コアメンバーを募集開始しています。引き続き複業人材×業務委託の採用は継続しつつ、各職種で経営の中核を担うフルタイムのコアメンバーを絶賛募集中です


まとめ

以上の6つの戦略が、創業1年5ヶ月のQuickWorkの成長を支えてきました。QuickWorkはまだまだ発展途上のため、引き続き成長できるよう2021年も尽力していきます。経営の中核を担うコアメンバーを、セールス・開発・マーケ・デザインの各領域で募集していますので、ご応募・ご連絡お待ちしております!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?