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データマネジメント資格「CDMP Fundamental Exam」に合格するための3つのポイントと感想

あけましておめでとうございます。

昨年はデータマネジメントやデータガバナンスに関するプロジェクトが増えてきたこともあり、自分の知識を客観的に把握し、不足している知識は学びたいという思いから、データマネジメント資格「CDMP Fundamental Exam」を受けてみました。

勉強方法から試験後の感想まで書いてみたいと思います。CDMPに興味がある方から、どのような試験なのかを知りたいという方を想定読者としています。

(前置き)CDMP = Certified Data Management Professionalとは?

まず、CDMPとは、Certified Data Management Professionalの略で、 DAMA Internationalというデータマネジメントに関する教育や資格発行を行う非営利の国際組織が主催する資格です。

3つのレベル

CDMPの資格は、以下の3つのレベルがあります。

Associate(アソシエイト)
CDMP Fundamentals examのgradeが60%以上であること

Practitioner(プラクティショナー)
CDMP Fundamentals examのgradeが70%以上、かつ
2つのスペシャリスト資格のgradeが70%以上

Master(マスター)
CDMP Fundamentals examのgradeが80%以上、かつ
2つのスペシャリスト資格のgradeが80%以上、かつ
10年以上の実務経験

試験範囲

試験範囲は、以下の通りです。

  • Data Governance(データガバナンス) – 11%

  • Data Modeling and Design(データモデリングと設計) – 11%

  • Data Quality(データ品質) – 11%

  • Metadata Management(メタデータ管理) – 11%

  • Master and Reference Data Management(マスターおよび参照データ管理) – 10%

  • Data Warehousing and Business Intelligence(データウェアハウジングとビジネスインテリジェンス) – 10%

  • Data Architecture(データアーキテクチャ) – 6%

  • Document and Content Management(文書およびコンテンツ管理) – 6%

  • Data Security(データセキュリティ) – 6%

  • Data Storage and Operations(データ保存と運用) – 6%

  • Data Integration and Interoperability(データ統合と相互運用性) – 6%

  • Data Management Process(データ管理プロセス) – 2%

  • Big Data(ビッグデータ) – 2%

  • Data Ethics(データ倫理) – 2%

重点的に出題される範囲はわかっているものの、実際の問題を見ると、メタデータ管理のように見せかけて「文書およびコンテンツ管理」について理解していないと解けない問題もあるので、満遍なく理解しておくことは重要です。

試験結果

私の試験結果ですが、試験後すぐに結果を見ることができます。その結果、80%でした。
ただし、オンライン試験中に不正がなかったかを事後的にチェックしているようで、この成績が認められるのは、そのチェック後のようです(ウェブサイトによると、10営業日程度かかる模様)。私の場合は6営業日後に、正式に合格の通知が来ました。

試験結果はその場ですぐに確認できます

では、ここからが本題です。
どのように試験対策を行えば良いかを書いていきたいと思います。

①「データマネジメント知識体系ガイド第二版(DMBOK)」を体系化しながら読む

まず出題のもととなる、データマネジメント知識体系ガイド第二版(以下、DMBOK)をよく読みます。といっても600ページを超える本なので、頭から読むのも大変です。 

網羅的に知識を獲得できる素晴らしい書籍です

読み方のポイントですが、漫然と読んでもなかなか頭に入ってこないと思います。元々は英語の本ですので、大事なことはそれぞれの章や節の冒頭に書いてあることが多いです。また、節の並び順や区切り方は論理的かつ体系的に整理されています。そこで、以下のような読み方を実践しました。

1周目 - 整理しながら、節の冒頭を全部読む

各章や節(小節も含む)の冒頭部分を全て読みます。その際に、自分がどこを読んでいるのかを理解するために、見出しを整理しつつ冒頭部分の要約やキーワードをメモに取りながら読んでいきます。

メモの例

2周目 - メモを見ながら理解が浅い章を全部読む

とったメモを見ながら、理解が浅い章(イメージが湧かない章)は、最初から最後まで精読しました。例えば、「マスターデータと参照データ」の章は、そもそもマスターデータと参照データの違いを意識したことがなかったため、1回読んだだけでは理解しきれませんでした。このように理解が浅い章は、一行一行精読しました。この結果、600ページのうち、60%くらいは精読したと思います。

②Udemyの試験対策問題をやってみる

続いて、UdemyにCDMPの試験対策問題集がありますので、そのうち以下をやってみました。

Certified Data Management Professional (CDMP)

実際の試験問題とは大きく違うので注意が必要ですが、キーワードや重要なコンセプトが頭に入っているかを確認するテストとしては有効でした。また、解説にどの章・節に答えがあるかを書いてくれているので、復習する際にも有益でした。実際、私は間違えた問題が出題されている章・節は、改めて精読しました。

③公式の模擬試験を100点取れるまで回す

試験に申し込むと、何度でも取り組める模擬試験が付いています。模擬試験は、ランダムに40題出題されて、36分で解きます。間違えた問題は試験後に見られるので、なぜ間違えたのかを分析します。記憶が曖昧な部分は、再度、DMBOKを読み直したり、概念図を書いてみたりして、整理していきます。特に、似たような言葉や概念がよく出てくるので、自分なりに「図解」していきました。模擬試験は100点が取れるまで行いました。100点になるまで模擬試験を行った回数は合計で3回でした。

本番の試験について

本番の試験は、Honorlockというオンライン試験監督サービスを使います。受験環境に関する細かな要件がありますので、事前に確認しておくことが重要です。

システム要件について

Google Chromeのみです。そして、Honorlockの拡張機能をインストールする必要があります。当然インターネット接続できる環境が必要です。

IDについて

パスポートを用意します。試験開始前にパスポートをPCのカメラにかざして、撮影して送信します。

教科書の持ち込みについて

DMBOKの持ち込みがOKです。ゆっくり見ている時間はおそらくありますが、専門用語に関する問題が出題された際に、確認するのに数題使いました。

試験場所について

試験場所が適切かどうか試験開始前に、部屋の4角と机の上を動画撮影します。その際、文字が書いてある壁やホワイトボードがあるのもNGなので、カバーするか、そのような壁やホワイトボードがある部屋も避けましょう。
また、試験中の画面、受験者の顔、音声が録音・録画されているようです。そのため、カフェなどノイズが入るようなパブリックスペースはNGのようです。静かな部屋を用意しましょう。

試験の要件が変わることもあるかと思いますので、実際に試験を受ける際には、ご自身で最終確認してください。

試験後の感想

実際に受験をしてみた感想ですが、暗記すれば解ける問題が中心ではなく、データマネジメントやデータガバナンスに関するコンセプトをしっかり理解しているかを問われる問題や、知識分野が横断するような問題も多く出題されます。良質な問題が多いように感じました。

データ・AIに関わる者として感じること

少し振り返ってみると、ここ数年はデータ利活用に注力する企業が増えてきていると感じます。実際に、社内にDXチームを組成しデータ人材の育成に力を入れる企業も増えていると思います。加えて、データチームの方々が社内のデータを収集して、多くの社員がデータを活用できるようにとデータ基盤を整えている企業も増えていると感じます。言い換えれば、ここ数年でデータ基盤の整備、そのデータを活用できる人材の育成と着々と準備は整いつつあるということです。

そして、ここから先は、企業全体でデータ戦略を策定・実行して、いよいよデータの力を企業の競争優位性にまで引き上げるフェーズであると思います。もう少し詳しく言えば、データを組織で健全に活用していくためには、データを活用できる人材を増やしていくことだけでなく、事業戦略に基づきデータ資産を体系的に管理していくのかという「データガバナンス」と、データ資産からいかに価値を引き出すのかという「データマネジメント」を総合的に考えていく必要があります。まさに、DXチームがゲリラ的、局所的に努力していたフェーズから、企業の競争戦略として「データ戦略」を捉える時期にきたと思います。つまり、組織全体でデータやAIをどのように健全かつ体系的に管理・活用していくのかが問われていきます。

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