散歩について
またパーイの話をする。
あまり日本人が来ないタイ北部のパーイ。別に世界遺産があるわけじゃないし、チェンマイからスクーターで山道を3時間半というアクセス性も微妙。21世紀に入ってから何本かタイ映画がここをロケ地にしたっぽくて、(県外の)タイ人にはそこそこ人気。あとは圧倒的に欧米人が多い。いわゆるバックパッカーパラダイスというやつだ。丁寧な言葉で書くと「長期滞在者」、サブカル的な言葉で書くと「沈没勢」も多い。場末のレストランやバーに行くと、半年以上パーイ周辺に居付いている人が結構いる。だいたい30~40代で、ヒッピー系で、男女比は3:7ぐらい(女性が意外に多い)。ザ・モラトリアム!って感じ。
観光エリアの中心となるメインストリートではある程度インバウンド向けの店が並んでいて、高い所は1食200Bくらい取るけど、安い所なら20Bでお腹いっぱい食べられる。そこで働く人たちは英語がボチボチ通じる。コンパクトでリーズナブルで、適度にコンビニエントな観光通りだと思う。
人の好みはそれぞれだけど、僕個人的にはパーイの魅力は、そのメインエリアから少し外れた畑地帯だと思う。このnoteで僕はパーイの事をど田舎ど田舎と言っているけれど、このエリアがどのくらい田舎なのかを表現すると、吉幾三の「おら東京さ行くだ」に出てくる村くらい、あとは、となりのトトロのおばあちゃん家周辺くらい田舎。あートトロは良い例えかもね。気候は全然違うけど、周りに畑と牛しかいないっていう意味では似てる。
で、そのど田舎のパーイを散歩する訳よ。これが楽しい。めちゃくちゃ楽しい。となりのトトロのオープニングでも「あるくの、だいすき」っていう歌詞が流れるけど、ほんとそれ。理由としてはいろいろあって、まずパーイの道は楽しい。田舎エリアの道は僕たちが普段認識している「道」とは少し違って、舗装されていない所も多いし、公道なんだか私道なんだかモヤモヤする道を多いし、あとリゾートの敷地内なんかも道としてガンガン活用してしまう。道という概念が都会と全然違うっていうのが楽しいのだ。
今は4月で、タイでも一番暑い季節なんだ。だから観光としてはオフシーズンにあたるんだけど、未だ徒歩で割と長距離を移動するバックパッカー達が多い。みんな散歩好きだなー。でも気持ちはわかる。なんか散歩が楽しいところなんだよね、ここ。
オレもそうだけど、バイクを借りているにも関わらず徒歩で移動しちゃったりする。まーちょっと歩くと汗ダクダクになっちゃって着替えたくなるんだけど、それでもなんか、歩いてると楽しいんだよね。
とはいえ、歩きやすさという意味でいうとクオリティはあまり良くないので、東京の5kmとパーイの5kmを一緒にしてはいけないと思う。山岳にあるのでアップダウンも激しいし、車とすれ違うときはギリギリだし、なにより暑い。どんどん体力が奪われていくのを感じる。なので涼しい朝方などに散歩すると最高なんだけど、まーこれはライフスタイルにもよると思う。